SBI証券が提供するお任せ運用サービス「SBIラップ」には、下記2つのコースがあります。
- AI投資コース
- 匠の運用コース
AI投資コースについては別途下記記事をご参照ください。
この記事では、SBIラップの匠の運用コースに焦点を絞り、
- 匠の運用コースの概要
- 利用するメリットデメリット
- AI投資コースとの違いやどちらがおすすめか
について解説していきます。
1. SBIラップの匠の運用コースとは?特徴を紹介
SBIラップ匠の運用コースは、野村アセットマネジメント独自の投資戦略を活用して、リスク(値動きの大きさ)を抑えながら、アクティブファンドへの投資により高い運用パフォーマンスを目指す「おまかせ運用」サービスです。
投資家はお金を投資するだけで、「オールウェザー・ファクターアロケーション戦略」と呼ばれる高度なプロの運用理論をもとに自動で資産運用ができます。
また、SBIラップ匠の運用コースの手数料は0.770%(年率・税込)(※)であり、ポイントプログラムも設けており、長く続けやすい仕組みを用意しています。
(※)他に各投資信託の信託報酬等、負担する費用が発生する場合があります。
匠の運用コースの概要 | |
---|---|
サービス開始日 | 2023年7月 |
運用企業 | 株式会社SBI証券/野村アセットマネジメント株式会社/株式会社FOLIO |
投資対象 | アクティブファンド |
運用するファンドの数 | 8種類 |
サービス手数料 | 預かり資産の0.770%(税込年率) |
投資商品の手数料 | 平均値:0.691%程度 最小0.374%~最大1.078%(年率・税込) 解約手数料:最大で信託財産の0.3% |
リバランス頻度 | 月に1回 |
ここからは、SBIラップ匠の運用コースの特徴を詳しくみてみましょう!
- 特徴①:アクティブファンドに分散投資する
- 特徴②:市場に合わせて臨機応変に投資銘柄を変更する
それぞれ、詳しく解説していきますね。
特徴①:アクティブファンドに分散投資する
SBIラップ匠の運用コースは、野村アセットマネジメントの数多くの運用戦略の中から厳選した、9種類のアクティブファンドに投資を行います。
9種類のアクティブファンド一覧を表示する
- ラップ専用・世界株式アクティブ(グローバル・マルチテーマ)
→新興国を含む世界各国の株式を主要投資対象とし、中長期の成長が見込まれるテーマを選定。 - ラップ専用・世界株式アクティブ(グローバル・バリュー)
→景気サイクルの波を乗り越えて継続的に株主価値を向上できると思われる世界の優良銘柄。割安な水準で買い付け、長期にわたって保有することにより、大きな投資成果を目指す。 - ラップ専用・日本株式アクティブ(セレクト・オポチュニティ)
→高い成長が期待される産業内で競争力を持つ「成長」の視点と成熟産業の中でシェアアップや新規成長分野への進出により利益成長が実現できると思われる「勝ち残り」の視点に着目し日本株を選定。 - ラップ専用・外国債券アクティブ
→日本を除く世界の公社債に投資。 - ラップ専用・外国国債アクティブ(為替ヘッジあり)
→日本を除く世界先進主要国が発行する国債・政府保証債を中心とした債券に投資 - ラップ専用・米国ハイ・イールド債券アクティブ
→⽶国ドル建てのハイ・イールド・ボンドに投資を行い、中⻑期的に、⾼⽔準のインカムゲインの確保に加え、キャピタルゲインの獲得を⽬指す。 - ラップ専用・日本債券アクティブ(クレジット戦略型)
→日本国内で発行された債券の市場全体の動向を表すNOMURA-BPI(総合)を上回る投資成果を目指す。 - ラップ専用・グローバルREITアクティブ
→世界各国のREITに幅広く投資。 - ラップ専用・J-REITアクティブ
→日本の金融商品取引所に上場されているREITを主要投資対象とする
アクティブファンドに投資するメリットはインデックスファンド(市場平均)を上回る運用パフォーマンスを期待できる点です。一方で、運用成果はファンドを運用する人(ファンドマネージャー)の手によるところが大きいため、属人性リスクがあり、加えてコストも高めというデメリットがあります。
アクティブファンド | インデックスファンド | |
---|---|---|
期待リターン | 特定の指数以上のリターンを目指す | 特定の指数とほぼ同じリターン |
コスト(手数料) | 高めが多い | 低めが多い |
デメリット | 必ずしも特定の指数に勝てるわけではない | 投資成果が相場に左右される |
特徴②:市場に合わせて資産配分を組み替える
匠ラップでは、市場環境に合わせて資産配分を臨機応変に変更し、安定的に優れたパフォーマンスを目指す野村アセットマネジメント独自の投資戦略(オールウェザー・ファクターアロケーション戦略)が活用されています。
オールウェザー戦略の活用
そもそも株式や債券などの資産は、それぞれ
- 好景気
- 不景気
- インフレ
- ディスインフレ
など得意とする景気サイクルは異なります。
そのため、その時々において有利な資産の組み入れを増やすことで、どのような市場環境においても運用効率の向上が期待できます。
このような戦略をオールウェザー戦略と言います。
オールウェザーは直訳で全ての天候。あらゆる天候でも好パフォーマンスが期待できるようにしようということですね。
ファクターアロケーション戦略
景気や物価といった「リスクファクター(市場の変動要因)」に着目し、資産配分を決定する考え方があります。
メリットは、市場の変動要因ごとに資産配分を決定することで、リスクを最小限に抑えた資産配分(ポートフォリオ)を構築できる点にあります。
「ファクターアロケーション」はバランスの良い食事に例えると理解しやすいです。
要は、必要な栄養素(ファクター)を先に考え、それに合わせて献立(資産配分)を決めていくやり方です。
こうすることで、無駄のない(リスクが適格な)バランスの良い食事が出来上がるというわけです。
SBIラップの利用には
SBI証券の口座開設が必要
※サービス内容やキャンペーン条件は
公式サイトで必ずご確認ください。
2. 【2024年10月更新】SBIラップの匠の運用コースに投資した実績を公開
公式サイト掲載の運用パフォーマンスは下記の通りです。
SBIラップ匠の運用コースの運用パフォーマンス | ||
---|---|---|
過去6ヶ月 | 過去1年 | 運用開始来 |
+0.59% | +14.24% | +12.32% |
参考データについて
加えて、弊サイトは、実際にAI投資コースに投資しているため、その運用実績も公開します。投資を検討されている方は、実際の値動きの推移を閲覧できるため”投資後のイメージ”として参考にしてください。
SBIラップ匠の運用コースに1年投資してみた運用実績(2024年10月4日更新)
私は2023年7月にSBIラップ(匠の運用コース)に1万円を投資をしてみました。
積立投資はしていません。
現在の投資元本(1万円)に対する運用実績は、+13.78%です。
<私の現在の運用実績>
<私の過去の実績推移表>
2024年度 | 2023年度 | |
---|---|---|
1月末 | 5.82% | |
2月末 | 8.71% | |
3月末 | 11.47% | |
4月末 | 9.38% | |
5月末 | 11.61% | |
6月末 | 16.06% | |
7月末 | 11.49% | 0.12% |
8月末 | 11.06% | 1.04% |
9月末 | 13.08% | -1.80% |
10月末 | 運用中 | -3.64% |
11月末 | 2.06% | |
12月末 | 4.17% |
- 運用開始から5ヶ月目まではマイナスがあったが
- 運用開始から6ヶ月目以降は一切元本割れすることなく、
- 結果として、年率平均利回り約11%
私は年率4%以上の利回りを期待してSBIラップ匠の運用コースに投資していますが、期待通りの運用成果となっています。
現状年率リターンでは、AI投資コースよりパフォーマンスが好調です。
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3. SBIラップの匠の運用コースのメリットとデメリット
基本的にはメリットはSBIラップと同様で、具体的には下記のような特徴があります。
- 自動で運用してくれるから手間がかからない
- 高い運用リターンを期待できる
- 下落相場でも好パフォーマンスが期待できるから安心できる
- 少額1万円から始められ、手数料は業界最安水準
- 積立投資も1,000円からできる
- 運用額に応じてポイントが貯まる
高度の運用理論に基づいた運用を自動でできる点が最大のメリットです。
インデックスファンド(市場平均)を上回る運用パフォーマンスを期待できます。
- リスク許容度に合わせた運用ができない
- 手数料が少々高い
一方で、資産配分が相場によって切り替わるため、他のロボアドバイザーのように自分がどれくらいの損失なら耐えられるのかのリスク許容度に合わせた運用はできません。
また、手数料は
- 預かり資産の0.770%(税込年率)
- 投資信託の平均0.691%程度
と比較的割高な傾向があります。
4. 匠の運用コースとAI投資コースとの違いは?どっちがおすすめ?
ここまで、SBIラップの匠の運用コースとAI投資コースの特徴がわかる比較表を作成しました。
運用コース | AI投資コース | 匠の運用コース |
---|---|---|
運用方針 | 人を凌駕するパフォーマンス | 投資環境に左右されにくい安定した収益の獲得 |
運用理論 | AI予測+現在ポートフォリオ理論 | オールウェザー・ファクターアロケーション戦略 |
投資対象商品 | インデックスファンド(8銘柄) | アクティブファンド(9銘柄) |
最低投資金額 | 1万円 以後、1,000円から積立可能 | |
基本手数料 (年率,税込) | 0.66% | 0.77% |
投資信託の手数料 (年率,税込) | 平均値:0.295%程度 最小0.220%~最大0.394% | 平均値:0.691%程度 最小0.374%~最大1.078% 解約手数料:最大で信託財産の0.3% |
リバランス頻度 | 月に1回 |
大きくは運用方針が異なります。公式サイトには下記のようにあります。
「AI投資コース」は、資産運用にAIを活用し、市場動向を先読みしてあらゆる相場局面に対応することで、人を凌駕するパフォーマンスを目指します。一方で、「匠の運用コース」は、野村アセットマネジメント独自の投資戦略を活用し、想定リスク年率10%程度で、投資環境に左右されにくい安定した収益の獲得を目指します。
以上の結果から、
- 高い運用実績を目指すなら「AI投資コース」
- 安定的な資産運用を期待するなら「匠の運用コース」
と言えるでしょう。
匠の運用コースとAI投資コースの併用はどう?
結論を言いますと、併用はありだと思います。
というのも公式サイトで併用することで、リターンが安定することについて言及されているからです。
各コースのバックテストの結果によると、下記のようにあります。
- 2012年12月末に「AI投資コース」と「匠の運用コース」を5:5の保有比率で運用を開始し、
- 以降は年1回、5:5の保有比率に戻すリバランスを行うと、
- 各コースを単独で保有したときと比べて「併せ持ち」をしたときの方が、
- 年率リスクに対する年率リターンの比率で、投資効率の尺度の一つであるシャープレシオが改善した。
運用実績に影響するリターンの効率性は、リスクに対するリターンのバランスを示す指標として、シャープレシオが使われます。
シャープレシオは、簡単に言えば「リスクを取って得られたリターンの割合」を表しています。
つまり、下記のように言えます。
- シャープレシオが高いほど“安定的かつ効率的な資産運用を行なえている“
SBIラップの利用には
SBI証券の口座開設が必要
※サービス内容やキャンペーン条件は
公式サイトで必ずご確認ください。
実績重視ならROBOPRO(ロボプロ)がオススメ!
匠の運用コースとAI投資コースでは、AI投資コースの方が高いパフォーマンスに期待ができますが、より高いパフォーマンスに期待するならROBOPROへの投資もおすすめです。
ROBOPROはSBIラップ同様に株式会社FOLIOが提供するAIを活用したおまかせ投資サービス。
ROBOPROは、AI(機械学習)による価格予測を活用して、市場の変化に合わせてポートフォリオ(資産配分)を月ごとにダイナミックに変化させ、常にどの相場に対しても好パフォーマンスの実現を目指します。
SBIラップのAI投資コースと変わらない印象を受けますが、下記の違いがあります。
項目 | ROBOPRO | SBIラップ(AI投資コース) |
---|---|---|
AIの運用方針 | 攻めのAI運用 | 守りのAI運用 |
AIの寄与度 | 高い | 低い |
リターンへの期待度 | ◎ | ◯ |
リターンの安定性 | ◯ | ◎ |
下落抑制力 | ◎ | ◯ |
投資銘柄数 | 2〜8銘柄(変動) | 8銘柄(固定) |
最低投資金額 | 10万円〜 | 1万円〜 |
ROBOPROはAI運用を突き詰めた商品設計となっています。そのため、常にどの相場でも好パフォーマンスを作ることを目指しています。
SBIラップは必ず8つの銘柄に分散投資をして安定的な運用を目指した上で、AIを活用します。
例えば、ROBOPROの場合だと、AIが今は2銘柄だけの投資が良いと判断すると、2銘柄にしか投資しません。AIを使ってシャープレシオ(価格変動の大きさに対してリターンが高い=シャープレシオが高い=効率的な運用)を極限まで高めるのがROBOPROです。
<ロボプロは金融庁公表のロボアドバイザー実績No.1>
具体的には下記のように選ぶといいでしょう。
- AIの強みを存分に活かして、とにかく高い運用リターンを期待したい
→ROBOPRO(ロボプロ) - 安定性をまずは重視した上で、AIを活用した運用がしたい
→SBIラップ(AI投資コース)
ROBOPROの詳細は下記記事をご参照ください。
好パフォーマンスと
下落に強い安定的な運用
※サービス概要やキャンペーン条件は
公式サイトで必ずご確認ください。
SBIラップ匠の運用コースのまとめ
SBIラップ匠の運用コースは、野村アセットマネジメント独自の投資戦略を活用して、リスク(値動きの大きさ)を抑えながら、アクティブファンドへの投資により高い運用パフォーマンスを目指す「おまかせ運用」サービスです。
投資家はお金を投資するだけで、「オールウェザー・ファクターアロケーション戦略」と呼ばれる高度なプロの運用理論をもとに自動で資産運用ができます。
人の叡智を結集した資産運用で、安定的に資産形成を行い方に適しているでしょう。
また、AI投資コースと併用することで、安定したパフォーマンスを期待することができるかもしれません。
当記事が参考になりましたら幸いです。
SBIラップの利用には
SBI証券の口座開設が必要
※サービス内容やキャンペーン条件は
公式サイトで必ずご確認ください。
コメント
コメント一覧 (2件)
文章中の誤字が気になりました
×FOLIO ROBO RRO
◯FOLIO ROBO PRO
FOLIO ROBO 「R」RO→「P」RO
コメントありがとうございます。該当する箇所を全て修正しました。ご指摘ありがとうございました。