株式会社FOLIOが提供するROBOPRO(以下、ロボプロ)はAIを運用アルゴリズムに本格的に導入したロボアドバイザー。
あらゆる景気局面に最適だと思われる運用を行い、積極的にパフォーマンスを狙いにいくのが最大の特徴。
当サイトは株式会社FOLIOには過去2度取材を行っており、この度改めて、最近の動向などを踏まえて、再度取材の機会を得ることができました。
ロボプロのプロダクトマネージャーである山口和晃さんに取材を行いました。
当記事をぜひ学びを深めることにご活用ください。
山口 和晃さん
株式会社FOLIO グロース部部長 プロダクトマネージャー
東京大学工学部在学中から株式会社フリークアウトにてアドテク事業 に従事。2014年に同社入社後は、主に大手クライアント向けのデジタルマーケティング関連のコンサルティング業務に従事。2015年創業メンバーの一人として株式会社FOLIOに参画。2016年から2018年までtoC事業のマーケティング業務に従事した後、2019年から現在までプロダクトマネージャーとして、2020年にローンチした「AI投資 ROBOPRO」も 含めたtoC事業全体を担当
1. ロボプロ誕生:FOLIOの新しい挑戦とAIの活用
まず、ロボプロの提供に至った経緯と背景を教えてください。
ありがとうございます。
もともとFOLIOは、「テーマ投資」やシンプルなロボアドバイザーサービス「おまかせ投資」を提供していました。
「おまかせ投資」は、いくつかの質問に答えるだけで、お客様のリスク許容度に合わせたポートフォリオを提案・運用するサービスです。
これは、他社のロボアドバイザーサービスと同様、いわゆる「ロボアドバイザー1.0」と呼べるものでした。
(引用:ROBOPRO公式サイト)
しかし、私たちは、お客様により高品質でパフォーマンスの高いサービスを提供したいという想いから、AI技術に着目しました。
AIを活用した投資配分算出方法を、AlpacaTech株式会社と共同開発。
バックテストを重ね、リスクを抑えつつ好パフォーマンスを期待できるシミュレーション結果が得られたことからロボプロの提供を開始しました。
2. ロボプロのここがすごい!他社ロボアドバイザーとの違いを徹底比較
他社ロボアドバイザーと比較したロボプロの強みはどこにありますか?
ロボプロの強みは、ズバリ「AIによる市場分析と予測」と「予測に基づいた大胆な投資配分変更」にあります。
順番にご説明しますね。
(1)AIによる市場分析と予測について
他のロボアドバイザーの中には、AIを活用していても顧客分析など部分的に使っているケースが多いですが、ロボプロは市場分析と予測にAIを活用しています。
約40種類もの先行指標とそこから導かれる1000以上の特徴量を分析し、ETFの値動きを予測しています。
これらの先行指標には、日本株・為替(ドル/円)・米国債・銅・原油などが含まれています。
これらの膨大なデータをAIが高速かつ正確に処理することで、市場の変化をいち早く捉え、人間では気づかないような投資機会の発見に繋がる可能性があると考えています。
※AIを活用した将来予測は、将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。
(2)予測に基づいた大胆な投資配分変更について
そもそも、一般的なロボアドバイザーは、最初に設定したリスク許容度に合わせてポートフォリオを組むため、相場が変わっても投資配分はほとんど変わりません。
例えば、株式の比率が60%、債券の比率が40%といったように、常に一定の比率を維持します。
一方、ロボプロはAIの予測に基づいて投資配分を大胆に変更します。
※1「一般的なロボアドバイザー」の投資配分シミュレーションについて:「一般的なロボアドバイザー」とは、利用者がリスク許容度に応じて設けられている複数の運用コースの中から一つのコースを選択し、一般的な運用アルゴリズム(ノーベル賞を受賞した理論に基づき、金融機関において広く使われている平均分散法を採用。平均分散法における期待リターンはCAPMを用いて算出)を用いて自動で運用を行う投資一任サービスのことを指します。本シミュレーションは、一般的な運用アルゴリズムでROBOPROと同じETFを運用したと仮定した結果です。リスク許容度はやや高めとし、5%〜40%の保有比率制限を設けて最適ポートフォリオを算出しています。
※2 ROBOPROの投資配分の推移について:各月に適用される投資配分の変更時点(ex.2024年9月は2024年8月29日時点)の比率を示しています。2022年6月、11月は毎月の投資配分の変更とは別に、臨時で投資配分の変更を実施しています。
例えば、ある月は株式市場が好調と予測されれば、株式の比率を80%まで引き上げる。
一方、次の月は市場が下落すると予測されれば、株式の比率をゼロにする、といったケースも。
相場の変化をいち早く捉え、柔軟に対応することで、リスクを抑えつつリターンを最大化することを目指しています。
3. AI活用への不安を解消!FOLIOの3つの安心ポイント
AI活用への不安を感じる方もいると思いますが、対策などはありますか?
そもそもAIが将来相場を全て予測できるなら試合終了とも言えます。
確かにそうですね。(笑)
そういう点ですと、AIが予測を外す可能性はゼロではありません。
ただ、長期的な資産運用においては、感情に流されず合理的な判断を継続することが重要であり、そういった点でもAIを活用する価値はあると考えています。
また、このAIに対する不安点に関する当社の見解として3つのポイントをご紹介しますね。
(1)投資判断には AI活用のプロセスに加え伝統的な金融工学も取り入れている
昨今AIはChatGPTなどの躍進もあり「生成AI」を中心に広く受け入れられていますよね。
「AIに任せた方が良いこと」に対して肯定的な方が増えていることが影響していると考えています。
例えば、資産運用においては膨大なデータ分析が必要となるため、自身で行うよりもAIに任せた方が効率的です。
さらにROBOPROでは、運用モデルにおいてAIを用いたプロセスに加え現代ポートフォリオ理論など、伝統的な金融工学も採用しています。
これにより、AIの極端な暴走を防ぎ、より安定性の高い運用を実現していますので、AI活用に対する不安払拭の一因となるのではないでしょうか。
リスクに対するリターンの算出には伝統的な金融工学が採用されているので、極端な暴走の可能性は少ないということでしょうか?
そういうことですね。
感情に一喜一憂することがないAIだからこそ合理的な判断ができます。
それが安心材料に繋がっているという見方もできますね。
(2)過去の確かな運用実績
ロボプロのAIは、過去の市場データから学習し、将来の市場動向を予測します。
過去の実績から、AIの予測能力は一定の信頼性があると考えています。
具体的には、サービス開始から2024年9月末までの主要ロボアドバイザーとのパフォーマンス比較において、ロボプロが最も高いシャープレシオを記録しました。
*上のグラフは、各社が情報開示の更なる向上に関する共同宣言に基づき開示している運用実績に係る情報をもとに、FOLIOにて作成したものです。 各サービスのリスク・リターン(年率)については、2020年1月末~2024年9月末までの月次リターンにかかる運用実績データ(円建て、コスト控除後)を基にFOLIOにて算出した値であり、各社が展開する複数の運用コースの全ての値を表示しています。なお、リスク(年率)については、月次リターンの標準偏差を年率換算した値を用いています。信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。
*ROBOPRO、おまかせ投資のリスク・リターンについては、2020年1月末から2024年9月末まで、ROBOPROサービスとおまかせ投資サービスに投資していた場合の運用実績をもとに算出された当該期間のリスク・リターンを、年率換算した数値を示しています。なお、運用実績を算出するにあたっては運用手数料を年率1.1%(税込)を徴収し、投資配分の変更は最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。算出は円建てで、分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れ、投資配分の変更時に再投資したと仮定して計算しています。分配金や投資配分の変更時の譲渡益にかかる税金は考慮していません。グラフ内の数値は小数第3位以下を切り捨てて表示しています。
*将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
シャープレシオが良好ということは、リスクに対して効率的にリターンを叩き出せている傾向があることがわかりますね!
(3)透明性の高い情報開示
(引用:ROBOPRO公式サイト)
ロボプロの運用状況やAIの予測根拠などは、定期的にレポートとして公開しています。
また、セミナー等も積極的に開催しており、お客様の疑問にお答えする環境を整えています。
このようにAIの判断の基準や経緯が不透明な部分をできる限り説明し、ブラックボックス感を解消することを目指しています。
豊富な情報提供の機会があるのは安心感につながりますね。
実際にロボプロのレポートは勉強になるとの見解をX(旧:Twitter)で発見したこともあります。
4. 直近1年間のパフォーマンス状況とこれからの期待感
直近1年間はパフォーマンスが振るわなかったという意見もありますが、理由と今後の期待を教えてください。
確かに、2022年12月から直近までは米国株が好調で、リスク許容度の高い運用コースの一般的なロボアドバイザーが有利な傾向があったと思います。
これは、株式市場全体が上昇トレンドにあったため、株式への投資配分が高いポートフォリオが好成績を残しやすかったからです。
しかし、ロボプロはサービス開始以降、安定したリターンを維持しています。
また、2023年8月から今年8月までの1年間で見ると、実はロボプロの方が良好なパフォーマンスです。
これは、ロボプロがAIを活用して市場環境を分析し、適切なリスクを取りながら投資配分を調整しているためだと考えています。
市場環境は常に変化するため、一時期のパフォーマンスだけで判断するのではなく、長期的な視点で評価していただきたいと考えています。
5. 為替の影響と円高時のメリット:長期的な視点で資産運用を
為替リスクについて質問させてください。
昨今円安が大きな話題となっています。
これから円安相場が進むシナリオにおいてロボプロに投資しておくメリットはあるでしょうか?
一方、今後円高になった際もロボプロに投資するメリットはあるでしょうか?
ロボプロは米ドル建てETFで運用しているため、円安時にはプラスの影響を受ける傾向があります。
これは、保有しているETFの価格がドル建てで上昇した場合、円安が進めば円換算した時のリターンがさらに大きくなるからです。
一方、円高時には、円建てのリターンにマイナスの影響が出る可能性があります。
しかし、2024年8月末時点では米ドルベースでも良好なパフォーマンスを維持しており、長期的に見ると、為替の影響よりも株式等への投資によるリターンの影響が大きいという見方もできます。
また、為替リスクが気になる場合は、ドルコスト平均法(積立投資)で運用することでこのリスクを軽減できるとも考えられています。
このような投資手法を検討してみても良いと思います。
6. 新NISAとの相性はどう?
昨今は新NISAで指数に投資する投資信託に投資するインデックス投資が主流となっています。
あえてロボプロにも投資することで得られるシナジーがあれば教えてください。
併用することによりリスク分散効果が期待できるかもしれません。
インデックス投資は、市場全体に連動する投資手法であり、比較的安定したリターンを期待できます。
一方で、市場全体が下落する局面ではそれ相応の損失が発生する可能性もあります。
一方、ロボプロはAIで市場環境を分析し、最適だと考えられる投資配分を提案してくれるため、市場全体が下落する局面でも、リスクを軽減できる可能性があります。
特に2024年8月には相場が大きく下落する局面がありました。
特に今年から投資を始められた方はかなりびっくりされたと思いますが、ロボプロにも投資していた方は比較的心理的にも落ち着いて相場を観察できたのではと考えています。
ロボプロは2024年8月の相場でも下落幅は抑えられていました。
安心感を覚えた方も多いかもしれませんね。
また、お客様の中にはロボプロの投資配分を参考に、自身のポートフォリオを調整するという活用をされている方もいらっしゃるみたいです。
例えば、ロボプロが株式の比率を下げている時は、自身も株式の比率を下げてみる、といった具合です。
ロボプロのAIは、様々な市場指標や経済状況などを分析して投資判断を行っているため、その動きを参考にすることで、より効率的なポートフォリオを構築できることを期待しているからかも知れません。
それは面白い活用方法ですね!
既に株式投資をメインにしている方がロボプロの高精度のAIをシグナルとして活用するという感じですね。
本日はお忙しい中取材の機会をありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。
取材を終えて
当サイトは運用開始から4年以上ロボプロを追っていますが、常に安定的なパフォーマンスを期待できる金融商品としての地位を確立しつつあるのではと感じます。
お聞きしたところ資産残高も例年以上に着実に増えているそうです。
高いリスクをとって積極的にパフォーマンスを追求する投資も一つの資産運用の手段ですが、乱高下が激しく、時には心理的にしんどい局面が来るかもしれません。
その点、ロボプロはリスクに対するリターンの最大化(シャープレシオ)を目指しており、安定的な好パフォーマンスを狙うため、いつでも比較的心理的に安心しながら資産運用ができる商品だと感じます。
今後ともロボプロの動向を見守って参りたいと思います。
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