楽天ウォレットは、楽天グループ株式会社のグループ会社である楽天ウォレット株式会社が運営する暗号資産の取引サービスです。
現物暗号資産の売買や証拠金取引を行うことができます。
利用しやすいデザインや楽天ポイントを利用して暗号資産を購入できる点が初心者から人気となっています。
今回は、そんな楽天ウォレット株式会社のマーケティング部より小林勉氏・川崎康弘氏をお招きし、事業を始めたきっかけや特徴、目指す未来図まで余すことなく語っていただきました。
これから楽天ウォレットで投資を行おうと思っている方や、暗号資産・ブロックチェーン に興味のある方にとっては大変読み応えのある記事となっています。
ぜひご覧くださいませ。
1. 楽天グループが暗号資産事業に参入した理由とは?
楽天ウォレットの事業を開始した理由を教えてください。どのような背景があり暗号資産交換事業に参入しようと考えたのでしょうか?
小林氏
「まず前提としまして、楽天グループは2016年にブロックチェーンの研究機関として、楽天ブロックチェーン・ラボを、英国の北アイルランドのベルファストに設立し、次世代の決済プラットフォームとしても応用が期待されるブロックチェーン技術の研究について進めてまいりました。」
「将来的にはEコマースや実店舗での決済、それからP2P方式の決済(デジタルでの相対の決済)など、決済手段として暗号資産の役割が大きくなってくると見込んでおります。」
「このような暗号資産の決済サービスを円滑に提供していくためには、暗号資産交換所機能の提供が必要だと考え、グループとして暗号資産交換業への参入を決めたのが主な経緯です。」
楽天グループとして、今後は暗号資産を様々な場所で活用していきたいというイメージでしょうか?
「そうですね。将来的には、暗号資産にとどまらず、中央銀行デジタル通貨(CBDC)など様々な観点も出てくるかと思いますが、デジタル通貨の決済機能は楽天グループとしても欠かせないため、この辺りを中心に研究を進めていくという流れから事業の参入を決めました。」
そのデジタル通貨を購入できる場所として楽天ウォレットのサービスを開始したということでしょうか?
「そうなります。」
2. なぜ楽天ウォレットは取引しやすいのか?
投資家にとって重要な点は取引のしやすさだと思いますが、御社が取引のしやすさにおいて工夫している点がありましたら教えてください。
川崎氏
「主に2点ございます。1つはわかりやすさです。」
「まず当社の現物の取引アプリ「楽天ウォレット」のメインターゲットは初心者や暗号資産取引に馴染みのない方々となっており、とにかくわかりやすく簡単に売買・取引ができるようシンプルに設計されています。」
「そのため、初心者の方でも迷わず直感的に利用できると思います。」
「もう1点は楽天ポイントが使える点です。100ポイント(通常ポイント)から利用ができます。」
「楽天ポイントをビットコインなどの暗号資産に交換することができるのでお試し感覚で取引を始められるようになっております。」
楽天ポイントで始められるのは良いですね。
「最初から暗号資産に日本円を入れるのはハードルが高いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、楽天ポイントであれば、身銭を切るというイメージではないのではと考えています。」
「まずは楽天ポイントで投資していただくことで、暗号資産の取引の手順や値動きなどに慣れていただくことを期待しています。」
私も楽天カード利用していますので、そこで貯めた楽天ポイントで投資できると考えると気軽に始められそうです。
「楽天ウォレットはメインターゲットを明確に暗号資産初心者としていますので、いかに始めやすくするかということを重要視しています。」
3. 楽天ウォレット独自の強みとは?
少し重複する質問ですが、御社の取引所で取引を行うことで投資家が得られるメリットがあれば教えていただきたいです。
川崎氏
「それもやっぱり楽天ポイントだと思います。」
「当社では、度々口座開設や暗号資産の売買、楽天ポイントでの交換など条件に楽天ポイントプレゼントするキャンペーンを実施しています。」
<キャンペーン例>
「キャンペーンで獲得した楽天ポイントはそのまま暗号資産と交換できますし、楽天グループでは楽天市場等の他サービスでも使えます。」
「やはり当社のお客様はすでに楽天サービスを利用されている方が多いので、他の楽天サービスを使っていく過程で楽天ウォレットも使ってもらう、また楽天ウォレットで得たポイントを他でも有効活用していただくといったシナジーを提供できる立ち位置になっていると思っています。」
4. 暗号資産を楽天キャッシュにチャージできる機能の提供意図について
御社の強みの一つとして、暗号資産を楽天キャッシュにチャージして通常の買い物等で利用できるサービスがあります。このサービスを提供しようと考えた理由について教えてください。
小林氏
「数年前、例えばビットコインが家電量販店などの一部の場で使える話がありましたが、本当にごく限られた場所のみというのが実情だったと思います。」
「暗号資産交換事業に参入した理由でお伝えした通り、Eコマースや実店舗でのP2Pでの決済手段として、暗号資産による決済機能の役割が今後ますます大きくなっていくと見込んでいます。」
「そのため、そのようなデジタル資産決済の世界を実現する第1ステップとして、楽天ペイメント株式会社との連携でこの楽天グループのシナジーを活かしたユニークな決済サービスを提供しようということになったのが運びですね。」
暗号資産の利用範囲という側面では圧倒的ですよね。
「そうですね。暗号資産を楽天キャッシュに素早くチャージできるため、そのまま楽天市場や楽天キャッシュが使える実店舗の方でもご利用いただけます。」
ただ気になるのが税金だと思うのですが、税金計算の案内等はどうされているのでしょうか?
例えば、副業収入が20万円以上になってしまう場合別途確定申告が必要でしょうし、この場合申告に備えた書類をユーザー側に提供しないといけないと思います。
「楽天キャッシュチャージに関しては、通常の売却と同じように、課税の対象になりますとご案内をしています。」
「また、売却金額の利益については、年間の取引報告書にて確認ができますので、そちらを確認して確定申告を行っていただくようご案内しています。」
やはり、あらゆる買い物でもその暗号資産というものを活用できるようにしていきたいというイメージですね。
「はい。これまで暗号資産取引をご利用されていた方は、投機的な側面で保有されていた方も多いと思います。」
「しかしながら、我々がメインターゲットとしているのは楽天グループのサービスを利用されている、暗号資産取引に関しては初心者のお客様ですので、そのようなお客様が果たして全員投機の目的で利用するかというとそうではないと思っています。」
「そのため、最終的にどうお客様に暗号資産を使っていただくかというところまで考えたときには、やはりこのようなサービスが重要になってくると考えています。」
例えば、暗号資産の価格が下がってきたら暗号資産を買い、上がってきたタイミングで楽天キャッシュにチャージして買い物に使えばいいかもですね。
「必ずしも値上がりを保証するものではないので、一概に言えませんが、お客様の目的に合わせて心地よい利用方法を見つけていただけたら嬉しいですね。」
5. 楽天ウォレットのセキュリティについて
暗号資産交換事業とっても最も重要な点はセキュリティだと思いますが、御社のセキュリティにおいてのスタンスおよび対策を教えてください。
川崎氏
「当社ではお客様の資産を安全に守るための取り組みを非常に重要視しております。」
「その一つとして、コールドウォレット上でお客様の保有している分の資産を管理しており、秘密鍵も複数の署名を必要とするマルチシグで管理しています。」
「コールドウォレットや秘密鍵の管理については、ノウハウ豊富なセコムグループと連携して実施をしているので、お客様に安心して取引していただける環境を提供できていると考えております。」
「また、不正ログイン、不正利用を防ぐために2段階認証を採用しており、ログインや出金・出庫の度にパスコードの入力をお願いしておりますが、それだけ厳重なセキュリティになっているとご認識いただけたらと思います。」
6. 楽天ウォレットの考える暗号資産の投資家保護とは?
上記質問と少々被る点があるかと思いますが、セキュリティと同じくらい重要な点が投資家保護の体制だと思いますが、“暗号資産における投資家保護のあるべき姿”について、御社の考えを教えてください。
「最も重要な点はやはりお客様の資産の管理の徹底だと考えています。当社ではコールドウォレット運用の他にお客様から預託いただいた金銭に関しても分別管理をしています。」
「また、わかりやすくご案内をすることで、正しく理解して暗号資産を利用していただくということも非常に重要だと思います。」
「楽天ウォレットはメインターゲットが初心者であるということで、当社を入り口に暗号資産の取引を始める方も多いと予想されます。」
「そのため、できる限りわかりやすいコンテンツを作って、暗号資産の特性やメリットとリスクを理解した上で、安心して取引をしていただきたいと考えています。」
そうですね。最近は、暗号資産の制度も整ってきたとは思いますが、始めた方の資産が短期で大きく変動することもあると思いますので、そのリスクをしっかり理解した上で投資家に投資してもらうということはすごく重要だと思います。
7. 楽天ウォレットの未来図について
御社の未来図を教えてください。どの様な世界を楽天ウォレットから実現させていきたいでしょうか?
小林氏
「はい。やはりベースは楽天グループのシナジーですね。」
「これを最大化して、便利でお得な暗号資産の運用や、新しい利用方法を提案していきたいと思っています。」
「そうすることでお客様の満足度向上に繋がると考えていますので、グループシナジーの最大化は非常に重要な要素だと考えています。」
「将来的には暗号資産が皆様にとって身近な存在になるようにしていきたいと思っています。」
「そういう意味では今後も伸びしろのある業界だと思っていますので着実にやっていきたいと思っています。」
8. これから楽天ウォレットを始められる方に一言
最後にこれから投資される投資家の方に一言お願いいたします。
小林氏
「楽天ウォレットは日本円を使わず楽天ポイントだけでも始めることができますので、最初はその辺りにぜひ注目していただきたいと思います。」
「加えて、先ほどお伝えしました楽天キャッシュへの暗号資産のチャージサービスもご好評をいただいております。」
「もちろん投資経験があるお客様へも、証拠金取引を「楽天ウォレットPro」というアプリを通じて提供させていただいています。」
「楽天ウォレットには、暗号資産に関わる様々な体験ができる環境が整っています。」
「まずは楽天ポイントでの交換から気軽にご利用していただけたらと思っております。」
あとがき
暗号資産のサービスを提供する楽天ウォレット株式会社様に取材させていただきました。
楽天グループだからこそ提供できる、楽天ポイントでの投資や楽天キャッシュなど、独自の特徴が光ります。
特に楽天ポイントで暗号資産への投資ができることはかなり画期的。ポイントなら投資へのハードルがグッと下がりますね。
また、楽天ウォレットは楽天ポイントが獲得できるキャンペーンなども随時実施しており、こちらを併用することで、暗号資産に投資しながら、よりお得にお買い物ができるかもしれません。
このように、楽天グループだからこそできるメリットが光るので、今後の新しい展開なども非常に楽しみです。
この記事をお読みになり興味を持たれた方はぜひ楽天ウォレットでの投資を検討してみてはいがかでしょうか?
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