CAMPFIRE Angelsは株式会社CAMPFIRE Startupsが運営する未上場企業に投資ができるクラウドファンディングサービス。
未上場企業の株式は将来的に大きな値上がりが期待できることから、多くの投資家から注目の的となっております。
今回は、株式会社CAMPFIRE Startupsの代表取締役社長である出縄良人氏をお招きして、事業を開始した経緯や未上場企業株に投資するメリット、また今後の未来図までたっぷりと語っていただきました。
これからCAMPFIRE Angelsを利用しようと考えている方や、株式投資型クラウドファンディングに興味がある方にとっては、読み応えのある記事となっておりますので、ぜひお読みいただけたら幸いです。
出縄良人氏
1997年ディー・ブレイン証券を創業。同社は株式投資型クラウドファンディング(ECF)の前身、グリーンシート制度で募集取扱主幹事シェア9割超。上場引受主幹事業務にも進出。札証アンビシャス、福証Q-Boardの主幹事シェアは6割。2010年に同社代表を退任。2015年にDANベンチャーキャピタルを設立。2017年に第一種少額電子募集取扱業者として登録。ECF事業を開始。2019年CAMPFIREが資本参加。同社グループ傘下に入る。
1. CAMPFIRE Angelsが株式投資型クラウドファンディングに参入した理由とは?
株式投資型クラウドファンディング”CAMPFIRE Angels”を開始した理由を教えてください。どのような背景があり株式投資型クラウドファンディング事業に参入しようと考えたのでしょうか?
「私はそもそもディー・ブレイン証券(現:日本クラウド証券)の創業者でもありました。」
「そこでもやっていたのですが、中小企業はファイナンスの手段が金融機関から融資が主ですよね。バランスシートで言うと、負債の部で調達しています。一方で、上場企業はマーケットを通じて株式を発行して資本で調達しています。同じお金でも資本の方が負債に比べてチャレンジしやすいと思います。」
「世界と競争力を持っていくためにも、企業に資本をもっと使っていただきたいという想いで、この資本調達の手法を中小企業まで広げたいと考えました。これが株式投資クラウドファンディングに参入した最大の理由ですね。」
企業のエクイティファイナンス(株式による資金調達)を日本でもっと広めていくっていうところで株式投資型クラウドファンディングを手段として導入されたというイメージですね。
(公式サイト引用- CAMPFIRE Angelsの特徴)
「そうですね。皆さま方の懐に眠っている預金はデットファイナス(借入金融)ですから、安全運転されている傾向にあります。その中で、一定の割合をリスクマネーに供給いただくと新しいイノベーションであったりと、それで経済が起こせます。」
「また、いわゆる資本調達・資本参加は、株主として事業に参画することを意味します。例えば、ある飲食店の株主ですと、味を改善したいなとか、壁を綺麗にしたいたいなとか投資家目線に変わるわけです。これが、エクイティファイナンスの特徴ですね。」
「ただ一方で、エクイティは返って来るような契約じゃないわけです。ですので、資金化するには売却しないといけません。他人としてのお金ではなくて自分のお金として関わっていくことにエクイティの意味があると思っています。小さな会社でも株式会社でも、上場会社と同じようなことができる機会を広げられるのは株式投資型クラウドファンディングの良いところですね。」
2. 未上場企業株式に投資するメリットとは?
株式投資型クラウドファンディングは未上場企業株式に投資できるのが最大の特徴ですが、上場企業株と比べて未上場企業株式に投資できることのメリットを教えてください。
「上場企業は基本的には出来上がった会社です。一方で、小さな会社は会社のステージが若ければ若いほど、株主の応援の力がすごく強いんです。投資する側からするとそういう時期に参画し自分の力で会社を伸ばすことができるのはすごい醍醐味じゃないですか。」
「私自身も経験があり、32歳で起業しました。その際、自分の会社の株を発行して皆様に株主になってもらったんですね。資金を提供して頂けたことは大変ありがたいですが、それ以上にありがたかったのは1年目の会社の売り上げの9割ぐらいが株主経由だったんですね。」
「そういう経験があることから、立ち上げのときこそ株主を募るのはすごく大事だと思っています。このような、有形無形のご縁があるんですね。」
(公式サイト引用- CAMPFIRE Angelsの特徴)
「それからエクイティの価値の上昇ですね。既に1兆円の企業価値のある会社が10兆円になるのは結構難しいです。一方で、1億円の会社が20億円になるとしたら沢山の例があります。そういう意味では、応援も含めて投資の醍醐味は大きいんじゃないかなと思いますね。ただ、投資の観点では20倍になって大儲けと思うかもしれませんが、結局リスクの高い投資はそうなる会社もあればそうならない会社もあります。
「そこで、例えばベンチャーキャピタルですと10億円の資金を使い1億円ずつ10社に投資。そのうち2社がうまく上場まで行き着き20倍になれば全体で2倍になります。そう思うと、10社程に投資しなきゃ駄目だということがわかってくると思いますよね。できるだけ多くの会社に投資をしてリスクを分散するのも一つの投資の方法ではあると思います。」
3. CAMPFIRE Angelsに安心して投資してもらうための仕組み作りとは?
株式投資型クラウドファンディングでは投資家が安心して投資できる環境の提供が重要だと思っています。投資家様に安心して投資していただけるように御社がプラットフォーム上で工夫していることがあれば教えてください。
「まず議題にあがる反社については、会員全員の反社チェックを義務付けられています。これは業者の責任として法律でやらないといけないことです。また、例えば上場するときにチェックで反社が出てくることが万が一あったときには、株主間契約がありまして、これは投資家が投資をするときに契約してもらっています。しかるべき状況になれば買取請求権が業者側に発生します。ですので、基本的には心配はないという仕組みは作っているつもりではございます。」
案件の情報開示とかに関してはどうですかね。
(公式サイト引用-CAMPFIRE Angelsの過去の案件例)
「私は会計士でもありますから開示に関して言うと、他社以上にはやっていると思います。」
「まず投資の入り口では、きっちりとした情報開示を上場企業の項目に沿った有価証券届出書に近い書式で始めさせていただいています。弊社のリスク情報を読んでいただくと、新規上場のときの目論見書に出ているのとほぼ同内容の項目が出ていますので、そのリスク情報をしっかりと読んでいただいて、投資する会社のリスクを把握していただきたいんですね。」
「ただ勘違いしてもらっては困るのは、事業リスクはその会社の事業におけるハードルです。ハードルを乗り越えることで事業計画の達成率が高まるわけです。逆に言うと事業リスクを乗り越えていただけるような応援を株主にもお願いしたいと思っています。一人の力はそんなに大きくなくても株主の集まったパワーは大きいです。そんなことを見ていただきながら自分の事業として感じてもらえると嬉しいですね。」
4. CAMPFIRE Angelsを利用する上で初心者に注意して欲しいこととは?
投資初心者が御社のプラットフォームを利用したいと思った際に注意してほしいことがあれば教えてください。
「やはり未上場の会社ですのでリスクを理解した上で参加していただきたいです。極力、無理をしないでいただきたいと思います。ご自身の金融資産の5%最大ぐらいで考えていただけるといいなと思っております。」
「あとは、株式会社は株主との共同事業という観点で参加いただきたいなと思います。」
「あとは分散投資ですね。ただ、この会社の事業に心から全身全霊で応援したいと思ったら100万円を全部とは言えないですが、自分でリスクを理解した上で投資をしていればそれでいいと思います。ベンチャーキャピタル的な投資を楽しみたい場合は分散投資もありだとは思いますね。」
5. CAMPFIRE Angelsの未来図とは?
御社の未来図を教えてください。どの様な世界をCAMPFIRE Angelsで実現していきたいでしょうか?
「CAMAPFIREとしては、今クラウドファンディングに様々なタイプを品揃えしており、いろんな形で資金が還元供給されていく、あるいは流通循環していくという社会を創っていくことを目標としています。その中で、弊社はエクイティの部分を担っています。」
「今200万社の株式会社が日本にありますね。そのうちエクイティという仕組みを使って資金を調達している会社が上場会社の3500社と、上場予備軍1万社ぐらいということになりますので、それを今私どもとして少なくとも10%、20万社ぐらいまで拡大したいと考えています。この時、一般の投資家が参加できるタイプの仕組みの中でのリーディングカンパニーとして業界を引っ張っていきたいですね。」
「また、日本のエンジェル投資の活動もそんなに活発じゃない印象がありますので、エンジェルの育成も視野に置いて、ちょっと大きめな投資のところも繋いでいきたいと思っています。」
「またもう一つは企業の成長にとって重要なのは資本提携とか事業提携とか、再度M&Aなどの戦略です。この戦略的なサポートを私の方でもやっており、例えば上場企業さんが資本参加したいですとか、クラウドファンディングをやった後での上場企業のエクイティファイナンスサポート。これも視野に入っています。」
「上場会社が資本参加する理由は、投資先企業と一緒に伸びていきたいという点が大きいです。このオープンイノベーションの投資をさらに仲介していくと、最初に弊社のプラットフォームで投資した株主皆さんにとってみてもより価値向上が見込める投資になるのではと考えています。」
「未上場企業が行うエクイティファイナンスのあらゆる局面に我々が関与し資本調達を担う。それによって企業がチャレンジし、世界の中で伸びていけるような、そういう環境を創っていきたいですね。」
6. これから投資をされる方へのひとこと
最後にこれから投資される投資家の方に一言お願いいたします。
「株式投資クラウドファンディングに興味を持たれている方は結構チャレンジ精神旺盛な方だとは思うんですね。」
「一人一人のチャレンジを日本の経済ないし世界の経済をより伸ばす方向に向けられると思いますし、ご自身も事業にご参画いただきながら世界の経済をみんなで作っていきましょう。」
「皆さんが日本の経済・世界の経済の自分たちが動かしててるんだっていう気持ちで、投資して下されば嬉しいですね。」
取材を終えて
CAMPFIRE Angelsの運営を行う株式会社CAMPFIRE Startups様に取材させていただきました。
出縄のお話を聞いていると、改めて株式投資をすることの本質的な意味を考えさせられます。株式と持つということは、その企業の経営に参加するということ。
投資した企業を自分事として捉え、助けていきたいですね。
特にスタートアップの領域では、株主の数や質が大きな原動力となってきますので、CAMPFIRE Angelsをきっかけに素敵な起業家様と投資が繋がれば良いなと思いました。
また、少額から投資できるので、スモールベンチャーキャピタルのようなことができるのも株式投資型クラウドファンディングの良さだと思いました。
分散投資によりリスクを軽減し、将来性高い企業に投資し、大きな利益を狙うのもこの投資の醍醐味だと思います。
これを機に自分にあった未上場企業株との接し方を考えてみるのも良いですね。
また、出縄様の気さくで親切な人柄から、出縄様と共に働きたいと思う方も多いのではと感じました。
個人的にもCAMPFIRE Angelsの描くビジョンが達成されれば、日本の未来もどんどん明るくなると思いますので、今後も応援していきたいなと感じました。
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