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投資のリスクとは「損すること」ではない。正しく理解するための基礎知識

「投資はリスクがあるから怖い」——そう感じている人は多いと思います。でも、「リスク」の意味を正しく理解している人は、意外と少ないのです。

「リスク=損すること」と思っている人がいますが、投資の世界でいうリスクは少し違います。リスクとは「価格がどれだけ上下に振れるか」という幅のことです。この理解の違いが、投資判断の質を大きく変えます。

この記事では、リスクとリターンの本質的な関係、リスクの種類、そして「自分はどれくらいのリスクをとれるのか」を確認する方法を、できるだけわかりやすく整理します。

! この記事を読む前に

  • 「投資はリスクがあるから怖い」とぼんやり感じている方
  • リスクの意味がなんとなくしかわかっていない方
  • リターンを求めてリスクを軽視してしまいがちな方
  • 「自分はどれくらいのリスクをとれるか」がわからない方
目次

当記事は投資に関連する一般的な情報提供を目的としており、取引の勧誘を目的としたものではありません。情報の品質管理に努めておりますが、その正確性や完全性を保証するものではありません。金融商品の最新情報は公式サイトにて必ずご確認ください。投資される際はご自身の判断と責任で行っていただきますようお願いいたします。

1. 「リスク」の正しい意味——損することではなく、ブレ幅のこと

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Core Concept 01

ポイント 投資の「リスク」とは、「損をすること」ではありません。
「価格がどれだけ上にも下にも動く可能性があるか」——そのブレ幅のことです。

日常生活でいう「リスク」は「危険・悪いこと」に近いですが、投資の文脈では意味が違います。投資の世界では、価格の変動幅そのものをリスクと呼びます。上に振れる可能性も、下に振れる可能性も、どちらもリスクの一部です。

たとえば、ある投資商品Aは「1年後に+20%になることも、−20%になることもある」とします。別の商品Bは「1年後に+3%になることも、−3%になることもある」としましょう。

このとき、商品Aの方が「リスクが高い(ブレ幅が大きい)」と表現します。商品Bは「リスクが低い(ブレ幅が小さい)」です。どちらが「良い」かは、あなたがどれだけのブレを受け入れられるかによって変わります。

商品AとBのリスクのイメージ

商品A(高リスク):株式インデックスファンド など

▲ 好調時:+25% ▼ 下落時:−35% (過去の例:リーマンショック時は−50%超)

商品B(低リスク):個人向け国債 など

▲ 好調時:+0.5〜1% ▼ 最悪時:元本割れほぼなし

※ 上記はイメージです。過去のデータは将来のパフォーマンスを保証しません。

「損しないこと」を目指す ≠ リスクを知らなくていい

「損したくないから、リスクのことは考えたくない」という気持ちはよくわかります。しかし、リスクを正確に知らないと、「どれだけのブレに耐えられるか」の判断ができません。

結果として、予想外の値下がりが起きたときにパニックになり、一番損しているタイミングで売ってしまう——という行動につながります。リスクを理解しておくことは、「損しないため」ではなく、「判断を乱さないため」に必要なことです。

ことば 標準偏差(ひょうじゅんへんさ)とは、投資の世界でリスクを数値で表すときによく使われる指標です。「値動きのブレがどれくらい大きいか」を示します。数値が大きいほどリスクが高い(よく動く)、小さいほどリスクが低い(安定している)ことを意味します。

2. リターンとリスクは必ずセット——「高リターン・低リスク」はあり得ない

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大原則 投資の世界には「ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターン」という大原則があります。高いリターンを期待できる商品には、必ず同程度のリスク(ブレ幅)が伴います。

なぜこの関係が成り立つのかというと、「損するかもしれないから、投資家はより高いリターンを要求する」という市場の原理があるからです。

たとえば、あなたが友人に「1年後に確実に返す」と言われてお金を貸す場合と、「1年後に返せるかわからない」と言われて貸す場合、後者の方が高い利子を求めますよね。投資もまったく同じ原理です。

そのため、「高リターンなのにリスクが低い」という商品が存在するとしたら、それは何かが隠れているサインです。リスクを説明しないまま高利回りを謳う商品には、細心の注意が必要です。

! 「低リスク・高リターン」と言われたら要注意

「安全なのに高い利回りが出る」と説明されたとき、疑うべきポイントは2つです。
① リスクが隠されている(流動性が低い・解約できない・仕組みが不透明など)
② 実際には運用しておらず、後から来る投資家のお金を利益として支払っている(ポンジスキームと呼ばれる詐欺の手口)

リスクとリターンの関係を表で整理する

主な投資商品をリスク・リターンの観点から大まかに比較すると、以下のようになります。これはあくまで傾向の整理であり、個々の商品によって異なります。

低リスク
低リターン
  • 銀行預金・定期預金
  • 個人向け国債
  • MMF(マネー・マーケット・ファンド)

価格変動はほぼなく安心感が高い半面、リターンも限られる。インフレに弱い点に注意。

中リスク
中リターン
  • 債券ファンド(国内・海外)
  • バランスファンド(株+債券)
  • ロボアドバイザー(保守型)

価格の変動はあるが、純粋な株式よりは穏やか。長期保有前提で活用しやすい。

高リスク
高リターン期待
  • 株式インデックスファンド
  • 個別株
  • 暗号資産(仮想通貨)

長期的な成長期待が高い半面、短期的に大きく下落することも。特に暗号資産は変動が非常に大きい。

超高リスク
超高リターン期待
  • FX(外国為替証拠金取引)
  • 先物・オプション取引
  • レバレッジ型ファンド

元本以上の損失が発生することもある。初心者には基本的に向かない。

※ 上記は大まかな傾向の整理です。同じカテゴリ内でも商品によってリスク水準は異なります。投資判断の前に各商品の目論見書・説明書をご確認ください。

マネとも中の人

よく「投資信託は安全ですか?」という質問を受けますが、「投資信託」というくくりでは答えられません。

投資信託の中には、超ハイリスクなレバレッジ商品から、ほぼ現金に近い安定型まで幅広くあります。

「投資信託だから安全」という認識は誤りです。どの資産に投資しているかを確認することが大切です。

3. 知っておきたいリスクの種類

投資のリスクといっても、その内容はひとつではありません。リスクには複数の種類があります。それぞれを知っておくと、「この商品のどこに気をつけるべきか」が見えてきます。

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Core Concept 03

① 価格変動リスク(市場リスク)

株式や投資信託の価格が、経済状況・企業業績・投資家心理などによって上下する可能性。最もよく知られたリスクで、「投資した金額が減るリスク」はここに当たります。

② 流動性リスク

「売りたいときに売れない」または「売れても大幅に安い値段でしか売れない」リスク。不動産で特に注意が必要。お金が必要になったとき、すぐに現金化できないと困ります。

③ 信用リスク(デフォルトリスク)

投資先の企業・国・金融機関が経営破綻したり、約束した利息・元本の支払いができなくなるリスク。ソーシャルレンディングや社債では特に重要。「借り手が返せなくなる」ことへの備えが必要です。

④ 為替リスク

海外の資産に投資するとき、円とドルなど通貨の交換レートが変わることで、円ベースでの価値が変動するリスク。外国株・外国債券・外貨建てファンドなどが対象。「投資した国の資産が上がっても、円高になって損をする」ケースがあります。

⑤ インフレリスク

物価が上がることで、お金の実質的な価値が目減りするリスク。「名目上はお金が減っていないのに、物が買えなくなる」状況です。現金や低利回りの預金だけで資産を保有し続けるとき、特に注意が必要なリスクです(次のセクションで詳しく説明します)。

! 「このリスクが一番怖い」は人によって違う

価格変動リスクは怖いが流動性は気にしない人もいれば、逆の人もいます。あなたが気にするリスクは何か、具体的に考えておくと、商品選びの判断がしやすくなります。

4. 「リスクをとらない」にもリスクがある——インフレのこと

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見落とされがち 「リスクをとりたくないから、全部現金で持っておく」——この選択にも、見えにくいリスクが潜んでいます。それが「インフレリスク」です。

インフレとは、物価が継続的に上がる状態のことです。物価が上がると、同じ金額でも買えるものが減ります。つまり、現金の「実質的な価値」が下がります。

たとえば、年2%のインフレが続いた場合、今日100万円で買えるものは、20年後には約150万円ないと買えなくなります。銀行の普通預金の金利が0.1%程度だとすると、現金を預けているだけでは実質的にお金の価値が目減りしていきます。

「リスクをとらない」という選択は、「価格変動リスクをとらない」という意味にはなりますが、「インフレリスクを受け入れる」という意味でもあります。どの選択も完全にリスクゼロにはならないということを知っておく必要があります。

インフレで「実質的な価値」が変わるイメージ

現金100万円を普通預金に20年間預けた場合

金額:約102万円(金利0.1%複利)
しかし年2%インフレが続いた場合の実質価値:約69万円相当(購買力ベース)

参考:世界株インデックスに20年間積立投資した場合(過去の平均的な例)

年平均リターン5〜7%程度(過去実績)。価格変動リスクを受け入れながらも、インフレを上回る成長が期待される。
ただし元本割れの時期も必ず存在し、将来のリターンは保証されない。

※ 上記はイメージのための数値であり、将来の成果を保証するものではありません。

「投資しないことが安全」とは言い切れない

マネともは「不安が残るなら始めないのも正解」という立場をとっていますが、それは「現金保有に問題がない」という意味ではありません。

投資をするかどうかは、あなた自身が決めることです。ただ、その判断をするために、「何もしないことのリスク」も理解した上で選ぶことが大切です。「怖いから現金で持つ」ではなく、「インフレリスクを理解した上で、今は現金を選ぶ」という判断であれば、それは立派な判断軸です。

マネとも中の人

「老後2,000万円問題」を機に投資への関心が高まりましたが、「インフレが怖いから投資しなければ」と焦って始めるのも本末転倒です。

インフレリスクは確かに存在しますが、それが「今すぐ投資を始める理由」にはなりません。

まず「自分はどれくらいのブレなら耐えられるか」を整理することが先です。

5. 自分のリスク許容度を確認する

「リスク許容度」とは、「自分はどれくらいの価格の下落なら、精神的にも経済的にも耐えられるか」を表す言葉です。これはとても個人差があり、「正しいリスク許容度」というものはありません。

リスク許容度を決める要素は大きく2つあります。

経済的なリスク許容度

損が出ても、生活が続けられるかどうか。

  • 緊急予備費(生活費3〜6ヶ月)が確保されているか
  • 近いうちに大きな出費の予定がないか
  • 高金利の借入(消費者ローン等)がないか

精神的なリスク許容度

損が出たとき、冷静でいられるかどうか。

  • 価格が下がっても、毎日確認しなくても平気か
  • −30%になっても「長期で回復する」と待てるか
  • 損が出ても誰かのせいにせず、自分の決断として受け入れられるか

時間的なリスク許容度

投資できる期間が長いほど、短期の下落を乗り越えやすい。

  • 10年以上使わない予定のお金か
  • 老後まで時間的余裕があるか
  • 途中で売らざるを得ない状況になりにくいか

「経済的」と「精神的」の両方がそろって初めて許容できる

経済的には問題がなくても、精神的に耐えられない金額の投資は避けるべきです。「お金は大丈夫でも、気持ちが大丈夫じゃない」という状態は、判断を誤らせます。

「いくら損しても大丈夫?」のリアルな確認方法

投資額の「10%の損」「30%の損」「50%の損」が実際にいくらになるかを、具体的な金額で想像してみてください。

たとえば50万円を投資するなら:
・10%の損 = 5万円の損
・30%の損 = 15万円の損(リーマンショック級では一時的にこれくらいあり得た)
・50%の損 = 25万円の損

この金額が銀行口座に表示されているのを見て、「平静でいられるか」を考えてみてください。「それは無理」と感じるなら、投資額を減らすか、リスクの低い商品を選ぶべきサインです。

自分に合うリスク水準の目安

こんな人はリスク低め(国債・預金・低リスク投資信託)から始めるのが合いやすい:
・価格変動が気になって毎日確認してしまう性格
・3年以内にまとまった出費の予定がある
・緊急予備費がまだ十分ではない

こんな人はリスク中〜高め(インデックスファンド等)を検討できる:
・10年以上使わないお金を投資できる
・価格が下がっても「長期で回復する」と待てる自信がある
・生活費・緊急予備費は別に確保できている

Self Check

自分のリスク許容度を言葉にしてみよう

答えが思い浮かばないなら、もう少し時間をかけるのが正解かもしれません。

経済的な余裕

生活費の何ヶ月分が「余裕資金」としてある?
近い将来の大きな出費は?

精神的な許容度

投資額の何%が損になったら、夜眠れなくなりそう?

時間的な余裕

このお金を何年間は使わなくていい?最悪の時期と重ならない?

自分に合う商品

上の3つを踏まえると、どんなリスク水準の商品が合いそう?

※ ここに書いた内容は外部に送信されません。自分のためだけの言葉です。

まとめ:リスクは「わかってとる」もの

リスクは怖いものではありません。「知らずにとる」から怖いのです。リスクとはブレ幅であり、高リターンには必ず高リスクが伴い、リスクにも複数の種類があり、何もしないことにもリスクがある——これを理解した上で判断することが、後悔を減らす第一歩です。

「リスクを理解したから、今すぐ投資しなければいけない」ということにはなりません。「わかった上で、自分には今まだ早いと判断する」のも、立派なリスク管理です。

この記事のまとめ

  1. 1 リスク=損することではなく「価格のブレ幅」のこと。上にも下にも動く可能性の大きさを指す。リスクが高いほど、大きく上がることも大きく下がることもある。
  2. 2 「ハイリスク・ハイリターン、ローリスク・ローリターン」は投資の大原則。「低リスク・高リターン」を謳う商品には、リスクが隠れているか詐欺の疑いがある。
  3. 3 リスクには「価格変動・流動性・信用・為替・インフレ」など複数の種類がある。商品ごとにどのリスクが主に関係するかを確認する習慣を持つ。
  4. 4 現金保有にも「インフレリスク」がある。「何もしない」は安全ではなく、別のリスクを受け入れているということ。全ての選択にリスクはゼロにならない。
  5. 5 自分のリスク許容度は「経済的」「精神的」「時間的」の3軸で確認する。「いくら損になったら夜眠れなくなるか」を具体的な金額で想像することが大切。
  6. + 「わかった上で今は始めない」も立派な判断。リスクを理解した上で「自分にはまだ早い」と判断することも、後悔を減らすための正しいリスク管理です。
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