イークラウドはイークラウド株式会社が運営する株式投資型クラウドファンディング業者です。投資家はイークラウドのプラットフォームを活用して、魅力的なベンチャー企業に投資を行うことができます。
今回、そんなイークラウドにて、案件募集から9ヶ月2.69倍という早い段階での好実績のイグジット事例が出ました。早い段階でのスムーズなイグジットは、業界の進歩に大きく貢献したのではないかと感じます。
今回は、イークラウド株式会社のCEO波多江氏をお招きして、今回のイグジットに至った経緯や感触、今後の抱負等について語っていただきました。
1. リターン2.69倍という数字が持つインパクトとは?
「今回のイグジットに至った経緯を教えてください。」
「イグジットに至った経緯としては、当案件募集を行うときから、株主様へのリターンとしてM&Aによる事業売却を予定していました。弊社としてもそこに向けて事業者と打ち合わせをし、課題点や困りごとを聞き、継続的なサポートをしてきました。」
「目指していた計画通りに進捗し、買い手企業さんからもすごくポジティブに捉えていただき、買収をしたいと評価をいただくに至りました。」
「プレスリリースには2.69倍の成果と書かれていますが、これはイグジット成果としてはどれくらいのインパクトがありますか?」
「M&Aのリターンで言うと、これまで株式投資型クラウドファンディングを通じていくつかの会社さんが持分の譲渡等にて1倍以上のリターンを出したことはありましたが、この2.69倍という数字は我々が見てきた限りではかなり高い数字になっていると思います。」
「また今回、上場企業様が買収をしているのですが、全株取得する形で決着したしっかりとしたM&Aとなっており、そういう点を踏まえると、ほとんど先例はないのではと思っています。」
「しっかりとしたM&Aというのは100%買収という形がしっかりとしたM&Aということですかね?」
「M&Aの定義で言うと、幅広くは株式が一部動くだけでもM&Aになります。今回は伸びている企業を買収というM&Aのストーリーとしては王道というポジティブな形になったかなという印象があります。」
「ハッピーエンドみたいな感じですね。」
「もちろん、買収した企業はそこから先また事業を成長させていく必要がありますが、これまで頑張ってきた経営者の方、応援という形で投資をした経営者や投資家の方々にまとめて利益が還元されたケースはこれまで多くないので貴重な機会をご提供できたと思っています。」
「一般的に9ヶ月で2.69倍になるような金融商品は、レバレッジをかけたFXや暗号資産などはありますが、極小数だと思います。」
「例えば、上場株への投資と言っても日々値動きを見てらっしゃる方々が多いので、ある日突然2.69倍はないと思います。それが今回のケースにおいては、M&Aになりました。今月中に2.69倍のお金を振り込みます。というお知らせが、突然届いた感じです。」
「夢がある話ですよね。100万円ぐらい入れたら気付いたら約269万円になっていたってことですもんね。」
「そうですね。これぞベンチャー投資の醍醐味というのを、150名以上の投資家の方にご体験いただけた貴重な機会だったと思っています。」
「また、同時に150名以上という点にもインパクトもあると思っており、1人が再現性低い形で大きなリターンを得るみたいなのはあったりしますが、同時に150人以上の方々が高リターンを同時に得られて、みんなでそのタイミングを共有して楽しめる機会というのはなかなかないのかなと思います。」
「確かに、同時には他の投資ではほぼ考えられませんね。」
2. 今回のイグジットに欠かせなかった株主間契約とは?
「今回、株主間契約のスキームの話がプレスリリースにも書いてあり、この契約のおかげでスムーズにイグジットができたとありますが、具体的にはどのような利点があるのでしょうか?」
「イークラウドの創業期からこの株主間契約を導入しており、今のところは株式投資型クラウドファンディング業者全社で導入している契約になっています。」
「背景として、仮にM&Aの意向をもらえたときに、少数の株主の方々が仮に反対すると、その方からの株式の買い取り条件や手続きをどうするという点がM&Aの実務で課題になると考えました。」
「そこで株主間契約を導入しているのですが、これはベンチャーキャピタルやエンジェル投資家の方々とかでも今では普通に使われているご契約体系のものをクラウドファンディング向けにアレンジして導入した仕組みになっています。」
「そういったイベントが発生をしたときに、株式を売るとなったらお相手さんも100%買収をしたいというオーダーもあると思います。そこで、投資家ひとりひとりの説得ができないから破談となってしまうと、多くの方が得をしないとか損をするということになります。」
「ですので、そういったイベントが発生したときには、誰々の意見に従うというのをあらかじめ定義をしています。弊社の場合は基本的には経営者の方となります。」
「買い手さんがやりたいスケジュールや、その後の法的な手続きで高負荷や労力がかからないように、手続きのナビゲーションをあらかじめ決めておきます。今回のケースですと、淡々とそれに従って実行させていただいたという形になります。結果、スムーズな形でのイグジットが実現できたと思います。」
3. イークラウドが経営者に求める意識とは?
「世間的な評価としては、イークラウドは案件組成の質が高いという声を聞きます、これに即して、どのような評価基準で資金調達企業を選定しているのかお聞きしたいです。」
「株式投資型クラウドファンディング通して多くの方々とお付き合いするというところをポジティブに捉えているかどうかという点を重要視しています。」
「個人の方から何十万ずつお金をお預かりするので、当然責任も大きくなりますし、そういったことにも真摯に向うという意識を大事にしていまして、向き合う覚悟が足りないと感じた方はお断りしています。」
「投資家の方の中には株主総会に毎回来られる方もいらっしゃるでしょうし、オンライン上で株主としてきつい言葉を出される方もいらっしゃると思います。そういう事とも真摯に向き合って成長していきたいと考える経営者の方であれば、きっと乗り越えていけると思っています。」
4. イークラウドの今後の抱負
「今回の事例を踏まえた、イークラウド様の今後の抱負をお聞かせください。」
「まずは今回、しっかりと結果を出すことができました。こういった体験を、何千万人みたいなところまで伸ばすことができれば、日本のベンチャーにも積極的にお金を回していきたいと考える方々も増えるんじゃないかなと思っています。」
「ですので、今後も投資をしたくなるような、魅力的なベンチャー企業をご紹介できるように努力していきたいと思っていますし、IPO事例も目指していきたいなと思います。こういった事例が出せると、世間の見る目も変わってくると思っています。」
「IPOとなると、初期の初期から投資ですので、すごいリターンになってきそうですね。事例も増えるとお金の流入も大きくなってきそうですね。」
「そうですね。事例が増えれば、良い企業が今まで以上にたくさん株式投資型クラウドファンディングに入ってきて、そして投資家の方にリターンが出て、そのお金がまた投資されるっていう好循環が生まれると思っています。」
「例えば、上場するとこうなるというのを投資家全員がイメージできる状態を早めに作るのが次の大きな目標です。」
取材を終えて
イークラウド株式会社のCEO波多江氏に取材させていただきました。
株式投資型クラウドファンディングの良い点は、多くの投資家が大きなリターンを得られる機会があるという点かもしれないと感じました。
一般的な投資においては、特定の誰かが大きなリターンを得ることはできますが、多くがゼロサムゲーム(誰かが得をして損をする)であり、最善な投資スキームとは言えないと思います。
今回の事例のようなイグジットでは、買いたい企業、頑張ってきた経営者、応援された起業家が同時に満たされるため、リスクはありますがとても気持ちの良いリターンの得方だと思いました。
また、お話をお聞きしているとイークラウドでは投資家募集から売り上げが何倍にもなっている会社も出てきているそうです。今後の発表が楽しみになりますね。
この記事を読み気になりましたら、ぜひイークラウドにて資金調達中のベンチャー企業を見てみてください。
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