日本を代表するグローバル企業といえばトヨタ自動車。
トヨタ自動車を中心とする、日本最大級の企業グループにまとめて投資ができる投資信託(以下、ファンド)があります。
それが、トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンド。
純資産総額は2024年10月末時点で1,800億円超。大人気ファンドで投資家からの信頼も厚いです。
今回、トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの運用担当者である所伴和さんに取材することができました。入社の経緯や運用方針、同ファンドへの想いに迫ります。
当記事を所伴和さん、トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドとの出会いと捉え、学びを深めることにご活用ください。
所伴和さん
三井住友DSアセットマネジメント株式会社
運用部 シニアファンドマネージャー
2002年大和住銀投信投資顧問(株)(現・三井住友DSアセットマネジメント(株))入社。2004年より株式運用部にて、ストラテジスト・ファンドマネージャー・アナリスト業務に従事。2013年より国内株式運用部でファンドマネージャー業務に従事。国内株式を中心に運用・調査経験約20年。
1. トヨタグループにまるごと投資 – トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンド
本日は、トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドのファンドマネージャー、所さんにお話を伺います。
所さん、よろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
早速ですが、トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンド(以下、当ファンド)はどのようなファンドなのか、特徴を教えてください。
トヨタ自動車とトヨタグループにまるごと投資する、という分かりやすいコンセプトのファンドです。
基本的にトヨタ自動車およびそのグループ会社の株式に投資をし、これらの銘柄群の動きをとらえることを目標に運用しています。
日本を代表する企業群であるトヨタグループに投資している、とご理解いただくとわかりやすいかもしれませんね。
(引用:三井住友DSアセットマネジメント株式会社公式サイト)
トヨタグループの銘柄の動きを捉えることを目標に運用とありますが、どのような動きをベンチマークにしているのでしょうか?
具体的なベンチマークは設けていません。
原則として銘柄の投資比率は各銘柄の時価総額に応じた比率で投資します。
ただし、トヨタ自動車の投資比率が50%を超える場合が同銘柄を約50%までとし、残りの約50%はグループ会社株式各銘柄の時価総額に応じた比率で投資を行う、という形で運用しています。
(引用:三井住友DSアセットマネジメント株式会社公式サイト)
トヨタグループの銘柄群の動きを素直に捉えるには、時価総額に応じた比率で投資をすることが良いと考えています。
マーケットが評価している数字ですので。
2. トヨタグループへのリスペクト – ファンドマネージャーが語る、日本を支える企業
所さんがこのファンドのファンドマネージャーになった経緯を教えていただけますか?
ファンドの設定当初は当ファンドのファンドマネージャーではありませんでしたが、以前からこのファンドは面白いなと思っていました。
そんな時に縁があり運用を担当することになりました。
ファンドマネージャーになってからお客様からの評価も徐々に高まり、ファンドも注目されてきました。
今ではとっても思い入れのあるファンドになっています。
ファンドが保有している資産の合計額(純資産総額)を見ましたが、1,800億円超(2024年10月末時点)もありますよね。
長い間運用してきて、お客様からお金が集まってきたのですね。
これだけの純資産総額があり特定のインデックスに連動しないファンドは日本でもなかなかないと自負しています。
多くの投資家の皆さんに支持されているのを実感しています。
実際にお客様とお話をしていても、温かい目で見ていただいている、信頼していただいていることを感じます。
どういった点が信頼感に繋がっているとお考えでしょうか?
やはりトヨタグループのブランド力です。
トヨタグループに対する信頼感は、日本人にとっては絶大だと考えます。
ご自身は、トヨタグループについてどのようにお考えですか?
長年優れた経営してきた企業群として、強くリスペクトしています。
雇用、税金など、日本の経済を支えてきた企業群のひとつといって過言ではないと思います。
それができるのは、日々努力し、時代に合わせた変化をしてきたからこそです。
今後の経営戦略を見ても、常に前向きの姿勢で、成長に対する貪欲さには感服いたします。
トヨタさんへのリスペクトが溢れているのを感じますね。
私自身、トヨタグループとは、ディスカッションやエンゲージメントをさせていただいています。
一投資家の声としてしっかりお聞きいただいていますし、こうした企業取材を通じてわかる投資先企業の本当の魅力を受益者の方々にお伝えすることができるのではないかと思います。
3. 個別株投資との違いについて – 少額投資から自動車産業の成長を享受できる
当ファンドとトヨタ自動車の個別銘柄を買うのは、どのような違いがあるのでしょうか?
あえて当ファンドを選ぶメリットを教えてください。
まず、投資信託なので、少額から投資ができます。
また、トヨタグループ各社、例えばデンソー、アイシン、豊田自動織機などがありますが、トヨタグループで培われた技術で、高品質な部品を作っています。
つまり、このようにグループ内にとどまらず、グループ全体に投資をすることで、自動車産業の成長を捉えることができるのも、当ファンドの特徴だと思います。
トヨタ自動車だけでなく、グループ企業群も含めることによって、自動車産業全体の成長性を捉えることができる、ということですね。
当ファンドは、長期投資には向いているのでしょうか?テーマ型投資のような印象も持っていまして。
基準価額の推移を見ていただいても、中長期的に上昇を続けてきたことが分かります。
(引用:三井住友DSアセットマネジメント株式会社公式サイト)
期間中基準価額が下がっている局面もあるものの、中長期で見れば、しっかりと上昇してきています。
トヨタグループの長期的な成長性に目を向けていただければと思います。
4. トヨタグループ銘柄の魅力 – 安定成長、技術革新、そして多様なビジネス展開
トヨタ自動車は国際競争力があり利益率も高く、安定成長が期待できる銘柄と言えるかと思いますが、改めて投資先としてのトヨタ自動車の魅力を教えてください。
まずはブランド力。アメリカでもハイブリッド車といえばトヨタ自動車です。
また、アメリカだけでなく、どの地域でもある程度のシェアを持っているという強みもあります。
会社自体も安定して成長しており、様々な局面を、企業努力によって乗り越えてきた点も評価できると思います。
今後も様々な技術が出てくると思いますが、トヨタ自動車は対応できると思います。
また、電池においても、自社開発している点も強みですね。
運用パフォーマンスも設定来でTOPIX(東証株価指数、配当込み)(※2)を上回って推移しています。
それは魅力的ですね。
トヨタグループ銘柄には、他にどのような魅力的な企業があるのでしょうか?
例えば、デンソーは、世界シェアトップレベルのインバーターやカーエアコンなどで強みがあります。
電動化の流れは、同社にとってポジティブです。最近は半導体やソフトウェア投資にも力を入れているので、今後の成長が期待されます。
アイシンは、従来の「エンジン+トランスミッション」に代わる駆動ユニットとして注目されるeAxleなど電動車のコア部品の開発も近年行っています。
同社は、技術開発力に強みをもち、様々な製品が出てきています。
豊田自動織機は、フォークリフトやカーエアコン用コンプレッサーなどで強みがあります。トヨタ自動車が実用化を目指している全固体電池の開発にも関わっています。
豊田通商は商社です。環境問題など、車のあり方が変わってくる中で、様々なビジネス展開が期待されます。資源調達、リチウムの調達なども行っています。
こういう会社がグループにいるのは強みです。
それぞれが、独立してビジネス展開をしているのですね。
(引用:三井住友DSアセットマネジメント株式会社公式サイト)
グループ全体の力もありますが、グループ各社には単独でも競争力があり、トヨタ自動車向け以外にも通用する製品を作っている会社が多いです。
自動車ブランドSUBARUもトヨタグループなんですね。
SUBARUはアイサイトに加え、水平対向エンジンなど、独自の強みを持っています。
トヨタとは異なる顧客層にアプローチしており、ブランドイメージも異なります。
トヨタグループは、多様な企業を抱えながら、それぞれが独自の強みを発揮しているということですね。
各社がそれぞれの分野で専門性を高め、互いに協力することで、グループ全体のシナジー効果を生み出しています。
トヨタ自動車・トヨタグループ各社の個別株を買うのはハードルが高いと感じる人もいるかもしれません。
そういう点では、まずはこのファンドから始める、というのも選択肢としてはありそうですね。
そうですね。
個別株でも良いと思いますが、トヨタグループにまるごと投資してみる、という選択肢があっても良いと思います。
5. 所さんから投資家へメッセージ – 日本を代表する企業群に投資してみませんか
最後に、投資家に向けてメッセージをお願いします。
自動車産業は、電動化、自動運転、コネクテッドといった技術革新が急速に進展しており、大きな変革期を迎えています。
トヨタグループは、これらの変化を的確に捉え、積極的に新技術開発や事業変革に取り組むことで、未来のモビリティ社会をリードしていく存在になると私は考えています。
何よりトヨタ自動車は、日本が世界に誇るグローバル企業です。
昨今、同社の成長は日本はもとよりグローバルな市場にあるとも言えますので、ぜひご検討していただけますと幸いです。
トヨタグループは日本一ですね。
いえ、私は世界一だと思います。(笑)
おっしゃる通りですね。(笑) 本日はありがとうございました。
いえいえ、ぜひよろしくお願いいたします。
後書き
トヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドを運用する所さんに取材をさせていただきました。
ファンドマネージャーの所さんの言葉からは、トヨタグループへの深い理解とリスペクトが伝わってきました。
所さんがおっしゃる通り、トヨタさんほど海外の方からも厚い信頼を置かれている日本の企業はほとんどないと思います。
トヨタグループへの投資はそんな日本の誇りを守っていくと言う側面もあるのかなと取材中に感じました。
とても面白い切り口のファンドで人気なのも頷けるなと感じました。
今後とも所さんとトヨタ自動車/トヨタグループ株式ファンドの成長を見守って参ります。
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