Fundsはファンズ株式会社が運営する資産運用サービス。
少額かつ将来の目標利回りと運用期間が固定で決まっており、円建てで運用される案件に投資して、コツコツ資産運用することができます。
2023年12月現在、500億円以上の案件組成を行なっており、元本毀損ゼロという点からも安心感があります。
今回は、そんな Funds を運営するファンズ株式会社の代表取締役社長藤田雄一郎氏に取材することができました。
この記事では、実際に Funds に投資をしている筆者が、気になっていたことを全て聞いてみました。ファンズって本当に信頼できるの?と不安に思っている方はぜひ当記事をご活用ください。
藤田雄一郎氏
早稲田大学商学部卒業後、株式会社サイバーエージェントに入社。2007年にマーケティング支援事業を行う企業を創業し、2012年上場企業に売却。2013年に大手ソーシャルレンディングサービスの立ち上げに経営メンバーとして参画。2016年11月に株式会社クラウドポート(現ファンズ株式会社)を創業。
1. 資産運用を身近に!ファンズのサービス提供の経緯とその想い
ファンズのサービス提供に至った経緯を教えてください。
我々は資産運用をもっと身近なものにしていきたいと考えています。
現状の日本の投資は極端な印象を受けます。株など価格変動のあるもので大きく儲けることもできるかもしれませんが、損する可能性も大きくあります。一方で、安定的ではあるものの金利がつかない社債のような商品もあります。
この構造は極端だと思っており、もう少し金融商品のグラデーションがあってもいいと感じます。1回投資したら、忘れていても期限が来たら金利と一緒にお金が返ってくる商品。これくらい投資をシンプルにすれば、誰でも資産運用に気軽にアクセスできると考え、 Funds という金融商品を作りました。
現在の金融商品だけだと足りないということでしょうか?
投資と聞くと、難しい・怖いというイメージを持っている方が多いと思います。我々は、投資の難しさ・怖さは値動きに起因していると考えています。例えば、日常では値段が上がったり下がったりするものを買うことはほぼないですよね。
そこで、最初から決まっている利回りが決まった期間で返ってくる。これくらいシンプルな商品があっていいと思いますし、これなら誰でも投資しやすいと考えました。
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2. ソーシャルレンディングとの差別化と安心感の追求について
御社のサービスはソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)という言葉を使っていないように見受けられますがこの意図を教えてください。
仕組みとしては同じですが、我々からはソーシャルレンディングや融資型クラウドファンディングという言葉を使わないようにしていています。
ソーシャルレンディングという言葉は誕生してから 10 年近く経っており、ソーシャルレンディングに投資する方々からは認知されているワードではあるものの、世の中一般的にはそれほど知られていません。
また、ソーシャルレンディングにはハイリスクというイメージがあるのですが、 Funds はより安心感がある商品という形で差別化しています。この理由は、 Fundsは国内を代表する超大手企業さんを中心に活用いただいており、中身の企業群が違う点にあります。
ソーシャルレンディングの中の 1つとカテゴライズした場合、他社と比べた時に利回りの低いプラットフォームと見られてしまいがちです。しかし、それは必ずしも正確に我々の姿を現したものではなく、リスクとリターンは背中合わせになっていますので、我々利回りは低いんですけれども、その分安心感があるという点にご注目いただきたいです。
3. 真の透明性! Funds の安心感を支える要因と競合他社との差別化について
安心感について深掘りさせてください。安心感がある理由を教えてください。
Fundsの安心感は、投資先の企業の多くが上場企業やその関連企業であるという点に集約されます。
まず、上場企業の倒産率は過去 15 〜 20 年ぐらいで0.03%程度と極めて低いです。
加えて、上場企業は上場に際して、証券会社の審査、監査法人の監査、そして東京証券取引所等の取引所による審査をクリアしています。加えて、定期的に監査法人のチェックが入った財務報告書を開示する義務があります。つまり、未上場企業と比べた時に情報の透明性が全く違います。
我々 Funds が掲載している企業様に関しては、投資家の方は誰でもその会社の PL(損益計算書) や BS(バランスシート) 、キャッシュフローを見ることができます。
もちろん、我々でも審査を行っていますが、投資家自身でも透明性高い情報をもとに投資いただけるのが安心感につながっていると考えています。
最近はソーシャルレンディング業界でも情報の透明化が進んでおり、納得ある投資判断を行える環境は整ってきていませんか?同業者の他社プラットホームとの安心感の違いを教えてください。
業界の多くのプラットフォームが未上場企業の案件を中心に取り扱っています。未上場企業の場合、上場企業よりもリターンは高くなりますが、監査法人の監査が入っていない場合が多く、開示されている情報の正確性を客観的に把握するのが難しくなります。
また不動産担保ローンという形で不動産に担保をつけているのもありますが、こちらもその不動産評価は、プラットフォームや鑑定業者に依存しており、投資家側が客観的に保全性を評価するのが難しくなります。
Funds の場合、上場企業が開示している情報は、金商法に基づく網羅的な内容で、虚偽記載に対する刑事罰も予定されており、監査法人の監査を経ています。通過しているハードルの数が Funds で資金調達をしている掲載の企業の方が多い分、他のプラットフォームに比べると客観的な投資判断が可能です。
なるほど。上場企業だと開示されている情報の信憑性が高いということですね。
御社の案件は、上場企業の関連企業の案件もありますね。上場企業と上場企業の関連企業は信用度が変わってくると思いますが、この点はどうお考えですか?
もちろん上場企業とその上場企業の関連企業で比べたとき一緒ではありません。しかし、上場企業と関連のない未上場企業より審査のしやすさや返済への期待の観点で言うとアドバンテージがあります。
なぜなら、仮に上場企業子会社でデフォルトが起きると、上場企業の株価に影響が出たり、訴訟の対象になったりする可能性があるなど影響が大きい背景があるからですね。
ありがとうございます。情報の透明性については理解できましたが、そういった情報はあまりみられない投資家の方も実際は多くないですか?
見てない方もいらっしゃると思いますが、見たい時に見れることと、見たい時に見れないことは違います。
そもそも、ソーシャルレンディングは預金ではないので、しっかりご留意ください。
ソーシャルレンディング投資ではコツコツ運用成果を出せていても1 案件でデフォルトが起こるとそれまで積み上げたものが全部マイナスになってしまう可能性があります。
プラットフォームを信頼するというのもあるのかもしれないですが、高いリターンには当然リスクが伴っているということを理解して投資いただくというのが重要です。
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4. 3つの強み!ファンズの他社比較とプラットフォームの独自性
ありがとうございます。情報の透明性については理解できましたが、他社融資型プラットフォームと比較して、御社の強みはどこにあるとお考えでしょうか?
我々のプラットフォームには大きく3つの独自性あると考えます。
1つ目は、上場後も投資を加速させ、より事業を拡張すべく成長し続ける企業さんに投資して金利を得られるという点です。例えば、マネーフォワードのような国内を代表するような高成長企業に間接的にお金を貸すことができるのは Funds だけの特徴です。
2つ目は、我々のプラットフォームを活用してファンづくりをしたいという大手企業様の案件にあります。例えば、サントリーや三菱UFJ銀行、最近ですとイオン銀行などです。
三菱UFJ銀行やイオン銀行は投資家にとって安心感のある投資先と言えるかと思います。安定性の高い大手企業に投資して 1% 強の金利を得られ、かつファンドによっては優待券ももらえるところは、これは他のプラットフォームにはない独自の強みです。
最後に、 Funds には投資予約機能があります。これくらいの利回りでこういう商品が出たら投資するということで予約しておくと、該当した商品が出てくると優先的に投資の機会が割り当てられる機能です。
Funds では、人気がある商品は募集が埋まってしまう傾向にありますが、これに対する解決策として、例え投資できなかったとしても、予約しておいていただければ、同じようなものが出た時に優先的に割り当てられます。これは他にはない強みだと思っています。
予約機能で先に予約してしまうと、案件の詳細をみないという懸念点は考えられませんか?
自動投資ではなく、機会が提供されるので、実際投資していただくときには詳細をご確認いただいて個人で投資判断いただくという形になります。
なるほど、あくまで投資枠の確保ということですね。
5. 返済確実性を重視! Funds の融資先企業審査のポイント
御社の案件において、融資先企業の信用力を測る上で何か指標している数字等の根拠はありますでしょうか?
我々は審査の際に、返済確実性を一番見ていています。
わかりやすい例で言いますと、まず融資対象企業のBS(バランスシート)をみます。流動性の高い資産を見て、それに対して負債がどれくらいあるのかを確認します。加えて、キャッシュフローのところでお金の出入りを見ていきます。
例えば 30億円の現金がある会社が毎年 2億円ぐらいしかお金が出ていってなければ 2 年間ぐらいだったら潰れなさそうですよね。
気をつけている点が、資産が多くても、銀行から多額のお金を調達して、不動産を買ったり、設備投資をしているケースなどです。この場合、予定通りに不動産が売却できなかったり、返済期日までに返済資金が用意できない場合に、倒産のリスクがあります。
そのため、上場企業であっても負債比率の高い企業は慎重に審査を行い、リスクが高いと判断した場合には、融資をお断りするケースもあります。
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6. Funds の経営状況と影響について
昨今の御社の業績を見てみますと赤字計上されておりますが、経営状況は問題ないと言えるでしょうか?
スタートアップ企業は、急速に成長していく必要があるため、赤字の期間を経ながら事業を成長させる前提があります。この赤字をどう埋めていくかと言いますと、資金調達をしていくという形になります。
我々は、直近36億円ほど資金調達をしており、トータルでは 69億円程度のエクイティ調達をしています。これは業界の中で最上位クラスの調達金額です。
我々は今事業投資をしていて人員も拡充しています。広告も積極的に行なっており赤字ではありますが、手元資金としては 十分な資金があり、小規模な黒字の会社より、財務健全性は高いという風に言えるのかなと考えています。
また、どんな株主が出資してくれているかもスタートアップの世界では大事だと考えています。我々に出資いただいている VC (ベンチャーキャピタル)は、三菱UFJ 銀行やみずほ銀行、三井住友信託、日本郵政など、事業会社ですと電通などの大企業が名を連ねています。
加えて global brainなど、実績あるVCベンチャーキャピタルからも Fundsをご評価いただき投資していただいております。
もちろん出資企業様からみても、仮に Funds が問題を起こせば、彼らのレピテーションに影響が出るので、しっかり審査した上で出資をいただいています。
まとめますと、第三者の目をしっかりと通過して、我々は 総額69億円の資金調達をしており、安定的な経営を行うのに十分な手元資金があります。
業界の中でも、最も実績のある大手企業から評価や支援をいただいている企業とも言え、この辺りも一つ評価ポイントにしていただけるとありがたいと思っています。
7. Fundsへの投資を考える初心者から上級者まで、幅広い投資家様へ
これから Fundsさんに投資される方にひとことお願いいたします。
Fundsは幅広い人にご利用いただけるプラットフォームだと思っています。
例えば、資産と投資経験のある方が、その資産の一部を投資すると銀行の金利がなかなかつかない現状の中、 Fundsに置いておくと金利の恩恵を受けられると思います。
また、 Fundsはこれまで5 年弱で累計500億円以上の金額を募集しましたが元本毀損や配当遅れは一件も起こっていません。そのため、初めての投資であっても安心感をもってご利用いただけるプラットフォームではないかと思います。
ですので、投資が怖い・投資は難しそうと思っている方が、最初の一歩として Fundsで投資をしていただくと良い成功体験ができ、それをきっかけに、またさらにその先の投資信託と株とか、そういう次の投資の世界に足を踏み出せるきっかけになると思っていいます。
ぜひ、投資初心者の方にも、少額からでいいので、投資いただきたいと思っています。
よろしくお願いいたします。
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後書き
Fundsを運営されるファンズ株式会社様に取材させていただきました。
ソーシャルレンディングで痛い思いをしたことがある筆者としては、ファンズさんのやられてることの意義は非常に理解できます。
取材を通して、一番感じたことは、 Fundsさんこそ最も透明性高い融資型クラウドファンディングプラットフォームと言えるかもしれないという点です。
上場企業の決算書は第三者の目が通っているので信憑性があり、安心して投資判断の材料に活用できます。また、不動産担保ローンなど信憑性に欠けるものはあえて重視しないなどの判断も明確で良いと感じました。
どうすればユーザーに安心して投資してもらえるかを考えに考え抜いたサービスだと感じます。
融資型クラウドファンディング全体で見ると、利回りは低めですが、利回り以外の点に目を向けることでサービスの本質的な価値が見えてきますね。
ファンズの今後に注目していきたいと思います。
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