マネーファーム(Money Farm)は株式会社3rd Economyが運営する新しい金融サービス。
金銭債権を活用した平均8%程度の固定リターンと短期運用が特徴。
今回は、そんな マネーファームを運営する株式会社3rd Economyの橋村 純 代表取締役社長に取材することができました。
当記事をぜひ運営事業者との出会いと捉え、サービス理解を深めることにご活用ください。
橋村 純 氏
戦略コンサルティングファーム、インフラファンド、EY Japan等を経て、経営戦略策定、投資顧問業、投融資のアドバイザリー等、幅広い経験を有する。その後、証券会社の代表取締役として2,000億円超を取り扱う日本最大級のクラウドファンディングプラットフォームを運営。退任後、Web3分野に注力し、現実資産のトークン化、取引のオンチェーン化等をテーマとしたビジネスを展開。2023年8月株式会社3rd Economyを設立し、代表取締役就任。
※当記事の取材は2024年5月16日に行われました。その為、最新情報と違いがある可能性があります。最新情報が知りたい場合は、後ほどマネーファーム公式サイトを別途ご覧ください。
1. 新しい金融サービス「マネーファーム」の誕生背景
マネーファームのサービス提供に至った経緯を教えてください。
背景には様々な要因があります。特にスタートアップや成長企業にとって資金調達が非常に難しいと感じていました。短期の資金やクイックな資金が不足しており、融資環境やエクイティ調達は改善されてきたとはいえ、まだ多くの企業が苦しんでいます。
弊社への出資関係を有するRelicグループとしても、数多くのスタートアップ支援を行っている中で、スタートアップの短期新需要に対する数多くの課題感を持っており、売上がしっかり立っている企業に対して資金調達の支援をしたいという想いが当サービスの着想点となりました。
また、投資家の方々にも資産運用のニーズがあり、比較的短期の資金運用を望む方が多い印象です。
そこで、短期の資金需要のあるスタートアップと、短期の運用ニーズのある個人投資家へ新しい投資機会を提供することで双方をマッチングさせるプラットフォームを展開し、この課題を解決するマネーファームをスタートしました。
(マネーファームメインビジュアル)
マネーファームは金銭債権の中でも売掛債権を中心にしていますが、今後の広がりの可能性はありますか?
はい。売掛債権だけでなく、診療債権など他の金銭債権にも対応していきたいです。現状は売掛債権が中心ですが、これは企業のニーズが多く、個人にもイメージしやすいためです。
金銭債権は幅広い概念であり、今後新たなニーズも出てくると考えています。それに応じてサービスを広げていきたいと思っています。
短期運用+好リターン
※サービス内容やキャンペーン条件は
公式サイトで必ずご確認ください。
2. マネーファームのリターンの仕組み
マネーファームの投資スキームについて、どのように投資家に元本と利益を返すのか教えてください。
シンプルに言えば、将来的にお金を受け取る権利を実際に受け取る金額より安い金額で購入する仕組みです。
将来的に約束通りのお金が入ってくると、その差額がリターンになります。これは金利とは異なり、割引価格で購入することで利益が生まれるというものです。
要は、割引価格で購入したものを原価で売り直すイメージですね。
その通りです。最初から割引価格で購入するため、リターンの算出が可能で、基本的には固定リターンになります。現在扱っている商品に関してはリターンの上ぶれや下ぶれはありません。
割引で買うという点は投資家からみても安心感にもつながるかもしれませんね。
3. マネーファームが高利回りである背景とその意義
投資家目線的には、年率利回りが8%程度というのは高い印象がありますが、根拠はどこにありますか?
売掛債権の案件に関してはファクタリング業界の水準をお話しするのが良いですね。ファクタリング業界では一般的に年率8%という数字は高い手数料ではありません。
※ファクタリング とは、他人が有する売掛債権を買い取って、その債権の回収を行う金融サービスの名称。
スタートアップや成長企業に対する資金提供は現状少なく、結果的により高い手数料が設定されることが多いです。我々はそのミスマッチを解決し、安い手数料で資金提供を行っており、実際に企業側にも喜ばれています。
事業者側から見れば低いコスト、投資家から見れば高い利回りといいのは良い状況ですね。
ありがとうございます。マッチングが存在しなかったギャップを埋めることで、社会的な意義もあるサービスだと考えています。
実際、投資家目線としては8%の利回りというニーズは高いです。では、ファクタリング業界からみたらむしろ低リスクという感じでしょうか?
はい。我々はリスクが高いものは極力扱わず、比較的安定したもののみを取り扱っています。これは大手のファクタリングサービスと同じマーケット感だと思っています。
今後、リスクの高い債権も将来的には取り扱う可能性がありますか?
サービスが成熟すれば、リスクの高い債権や新しい形態の権利、例えば興行収入権などもアイデアとしては面白いと考えますが、現状は安定した資産運用を中心に考えています。
短期運用+好リターン
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4. 投資家が見るべき投資判断のポイント
確定債権への投資で重要な信用情報について
投資家として質問させてください。確定債権の案件にて、投資家が見るべきポイントは基本的に債務者の財務状況でいいですか?
基本的にはそうですが、それだけを見ればいいというわけではありません。支払い元の会社の信用情報が重要です。
請求書を立てた支払い元の会社がきちんと支払えるかどうかを判断するために、その会社の信用情報を見ていただく必要があります。もちろん、大手企業であれば、一般的に信用度は高いと考えられます。
ありがとうございます。個人的にマネーファームは従来のソーシャルレンディングや不動産投資型クラウドファンディングと比べて、投資判断が比較的容易だと感じます。
私たちのサービスの強みは、お金を必要としている人と支払い元が異なるため、リスクが分散されている点にあります。
従来のクラウドファンディングでは、お金を必要としている人と返済する人が同じであるため、返済能力の判断が難しいと考えています。
しかし、我々のサービスは、資金需要者ではなく、支払い元が支払うという仕組みとなっているため、投資家はその企業の信用度を確認するだけで比較的簡単に投資判断ができます。
これは、投資家にとって大きな安心材料になると思います。また、短期で資金が返ってくる点も安心感に繋がると感じます。
ありがとうございます。今後もUI的な観点でより投資家様がマネーファーム内で投資判断をしやすい材料などを提供していく予定です。
実は、現状でも調べたらすぐに出てくるような債務者さんの案件を提供しています。ですので、マネーファーム掲載の情報をもとに債務者さんの情報を確認していただけると幸いです。
将来債権への投資で重要な取引実績について
将来債権の場合、投資家が見るべきポイントは債権者・債務者両方の財務状況という認識で良いですか?
それもありますが、重要なのは債権者がきちんとサービスを提供完了できるかという点です。
財務状況という表現は少し難しいのですが、債権者がサービスを提供し、無事に報酬を受け取れるかどうかが重要です。
ですので、債権者がこれまでどれだけしっかりとサービス提供をしてきたか、取引の履歴がどうなのかがポイントです。
財務状況以上に、取引実績が信頼性を判断する材料になります。
ありがとうございます。将来債権は見るべきポイントが増えるのでリスクが高くなりがちですね。
将来債権はリスクが高くなる傾向にあります。
リスクが高い分、個人投資家にもそれに見合ったリターンを提供する必要がありますが、このリスクをどう評価するかは弊社としても今後の課題です。
確定債権・将来債権問わず、案件として組成する上では、最初に貴社が直接審査をしているという認識でいいですよね?
もちろんです。契約書や発注書の確認など、必要なデータを全て確認した上で審査を行います。
例えば、確定債権の場合、その信頼性を確保するために全ての書類を確認します。
なるほど。例えば、確定債権であることを確認するための書類も投資家に見せることができると良くないですかね?
ありがとうございます。原契約や請求書、発注書など、できる限り投資家に安心していただける情報を提供したいと考えています。
ただ、法的な制約もあるため、どこまで情報を公開できるかは慎重に判断します。
金銭債権のリスク評価:支払い不履行の可能性への見解
確定債権において債務者が支払いを履行しないことは基本的にあり得るのでしょうか?
企業の信用に直結するため、リスクは低いと考えられますが、完全にリスクがないわけではありません。
例えば、納品しても支払い前に連絡が途絶えることはありえます。だからこそ、ビジネスでは現金回収までが重要と言われます。裁判をしても回収できない場合もありますので、相手先によってはリスクが存在します。
しかし、我々としては審査をして取引先を絞った上でやっています。
また、通常のビジネス感覚で考えていただければ、大手企業様の場合、支払いを踏み倒すことはないと皆さん思いますよね。そういう感覚で捉えていただければと思います。
短期運用+好リターン
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5. 法律リスクに対するマネーファームの対応と姿勢
個人的に最大リスクだと思っている点は法律リスクです。今後ライセンスが必要になるとサービス継続ができなくなるのではないかと思い、ご意見を伺いたいです。
リスクについては、TMI総合法律事務所さんと連携しており、資金決済法や金融法に詳しい専門家のアドバイスを受けながら法的検証を行っています。
また、金融庁とも常に連絡を取り合う姿勢をとっており、仮にライセンス等が必要になったとしても対応できるような人員体制が揃っています。
私自身も証券会社の代表を務めた経験があり、金融当局との関係もあるため、法改正が必要な場合は早めに情報をキャッチし、適切に対応できるように努めています。
私の見解ですと金融当局はサービス提供には前向きであり、急に法改正することはなく、事業者の意見もきちんとヒアリングしてくれる機関だと感じています。
しかしながら、投資家の方はそういう風に捉えていただけるかっていうのはまた別問題だと思っていますので会社全体として理解をいただけるように情報発信を行って参ります。
6. これから投資される方へのひとこと
投資家様に向けて最後にひとことお願いします。
我々は新しいサービスにチャレンジしています。ですので、我々とお付き合いいただける方にも、一緒にチャレンジしていただいている仲間のような感覚があります。
この度の取材のように、なかなか我々に直接意見を言う機会は少ないかもしれませんが、問い合わせなどは全てメモしています。
いろんなご意見、特に厳しいご意見も含めていただきながら、一緒にサービスを作り上げ、新しい業界やサービスを投資家や利用者と共に作っていきたいと考えています。
マネーファームをどうぞよろしくお願いいたします。
後書き
マネーファームを運営される株式会社3rd Economy様に取材させていただきました。
マネーファームは利回りが一般的な水準より高めなため大丈夫?と心配になる点もありましたが、利回りにはしっかりと裏付けがあることがわかりました。
割引価格で購入し、それを定価で売れる権利と捉えるとわかりやすいですね。そして、ファクタリンク業界の背景をベースにするとマネーファームの利回りは適正値と言えます。
私はソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)の投資判断の難しさを痛感しています。一方で、マネーファームは確定債権の債権者が数ヶ月先に支払い履行するかを考えればいいとので投資判断がしやすいと感じています。
ソーシャルレンディングが抱えていた難しさと資金拘束の長さという課題を解決する画期的なサービスだと感じました。
マネーファームの今後に注目していきたいと思います。
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